第1回奈良マラソン完走記~あをによし 奈良の都を ひた走る(動き出した列) | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

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還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

 目覚ましは6時にセットしていましたが、それより早く目が覚めました。窓を開けてみると、外はまだ真っ暗です。乳首にバンソウコウを貼り、前夜のうちに準備しておいたレース用のTシャツとタイツを履きます。ナンバーカードをつけたランシャツは、会場で着ることとして、リュックの中に入れました。着替えた上からジャージを着て準備完了です。私は食券を持って朝食会場に向かいます。それが6時20分頃のことでした。


 すると案の定、混雑しています。朝食はバイキングですが、同時にそこで料理を取れるには3~4人が限度。そのためずらっと順番待ちで並んでいます。時間がギリギリというわけでもないので、慌てずに待ちました。


 席もどうにか確保できて朝食を済ませましたが、私が行った頃がピークだったようで、私の後はあまりお客さんが来ず、徐々に空き始めました。やはり皆さん、6時の開始と同時に集まっていたのでしょうね。


 ごはんとスパゲティサラダを多めに食べて、朝食終了です。


 部屋に戻ってトイレも済ませました。窓を開けて外を見ると、素晴らしい天気です。気温はちょっと低めですが、レースの頃には暖かくなるでしょう。


Road to SAROMAN BLUE-朝


 いつもはここでコンタクトに変えるところですが、今日は雨の心配もなければ頭から水を被ることもないでしょう。久しぶりにメガネのままで走ることにしました。


 あとは出発のブログを書いていざ出陣です。昨夜ご一緒した楽ランの皆さんは、スタンドに7時45分に集合すると言ってました。私も7時30分くらいには競技場に入っていたいと思っていたのですが、すでに部屋を出るのが7時30分近くなっています。これではとても、集合時刻に間に合いそうにありません。


 ホテルのロビーでスポーツドリンクを買っていきます。これですっかり安心してしまったのか、スタート前に食べる軽食を買いにコンビニに寄ることをすっかり忘れてしまいました。


 会場の鴻ノ池陸上競技場までは2kmあまりあるでしょう。JR奈良駅と近鉄奈良駅からはバスが出ており、増発されるとなっていました。でも昨日も歩いて道もしっかりわかっています。バスは使わず歩いていくつもりでしたが、JR奈良駅前のバス乗り場にはものすごい列ができていました。


 私はそのまま歩いていきますが、歩道が狭いこともあり、人でびっしりと埋まって流れが悪くなっています。車道の方も、マラソンコースにもなっていますから8時30分には通行止めとなるはずですが、渋滞していてなかなか車も流れません。選手を満載したバスも、私たちと変わらない速度です。これで駅前にいた大量の選手たちを運びきれるのだろうか。なんだか心配になってきます。


 なにしろ競技場へのアクセスルートは1本しかありませんから、どうしてもこのように集中してしまいます。奈良マラソンが10,000人。大仏マラソンが7,000人。それだけの人が集まるにしては、ちょっと問題があるのかもしれません。来年に向けた課題となりそうです。


 それでもどうにか、8時頃には会場に到着しました。スタートは9時。スタートブロック集合は8時30分(と思っていたら、入口の閉鎖は8時45分だったようです)。うろうろしている暇はありません。まっすぐ荷物預かり所に向かいました。ここで完全にレースウェアに着替え、荷物を預けてしまいました。


 このとき、私はスタート前の食料を調達し忘れたことに気づいたのですが、もうどうにもなりません。この大会は給食があるはずです。ぜんざいがふるまわれるという噂も聞きました。それらに頼るしかありません。


 もうひとつ、大きな問題はトイレです。前日に確認した限り、参加人数の割には仮設トイレの数が少なく感じました。朝の混雑が予想されるので、ホテルを出る前にしっかりとトイレを済ませてきました。でも、スタート前にはトイレに行っておきたいのです。いつもは念を入れて2回行くところですが、1度だけでもしっかりと済ませたいと思っていました。


 ところが意外な死角がありました。この荷物預かり兼男子更衣室となっている体育館。ここは男性のみが利用していますから、隅っこにあるトイレは、女性用が大専用。そして男性用が小専用という形に別れて並んでいます。おかげで小用は5分程度の待ち時間ですんなりと済ませることができました。


 荷物を預けて外に出ると、人、人、人・・・ものすごいことになっています。ここから競技場に向かおうとしますが、ちょうど荷物を預けに来る人もピークを迎える頃でしょうか。その人波がぶつかり合い、大変なことになっています。できるだけ押さないように、押されないように気をつけながら、徐々に競技場方向に向かいます。


 実は昨日会場内をうろついたときも心配に思ったのですが、他の施設の配置も含め、ランナーの動線の確保という点ではちょっと問題があったように感じます。これは来年に向けた課題でしょう。


 すでに8時15分になっています。スタートエリアの入口閉鎖が8時30分と思い込んでいる私。もう会場内をうろうろしてはいられません。本当は「おがまん」と入ったナンバーカードをつけてあたりをウロウロして多くの人に見つけてもらおうと思っていたのですが・・・。私はそのままDブロックのスタートエリアに行きました。


 それでもさすがはニックネーム入りナンバーカード効果です。しっかりとR子さんが見つけてくれました。スタートまでの時間、いろいろと話しながら過ごせたおかげでリラックスできました。


 青空は広がっていますが、気温はなかなか上がりません。Dブロックの待機場所は日陰ということもあり、半袖のTシャツ+ランシャツではとても寒く感じます。でも今日の予想最高気温は15度を超えています。このあと、必ず気温は上がってくるはずです。寒さに悩まされるのは、今のうちだけでしょう。だから今日は手袋も用意していません。


 スタートまでの時間、太平サブローさんが喋ったり、Qちゃんが喋ったりというオープニングセレモニーが続いています。やがてブロック間の間隔が詰められ、私たちも前方に移動します。緊張感が広がり、話し声も少なくなり、静寂が広がります。


Road to SAROMAN BLUE-スタート前


 「バン」


 1分前を告げるコールがあってからしばらくした頃、遠くでピストルが鳴ったような気がします。私は反射的にストップウォッチのボタンを押しましたが、本当にスタートしたのか、確信が持てません。それは周りのランナーも同じようでしたが、前の方から拍手の波が押し寄せてきて、やはりあれが号砲だったとようやく確信することができました。


 そして間もなく、列はゆっくりと動き始めました。(つづく)



Let's Run with a Smile!