通常はスタート前に2度小用を足します。でも今日は、会場の混雑のため1度しかしていません。そのせいでしょうか、このあたりから尿意を感じ始めました。
この大会、大変工夫されていることがありました。それはトイレの案内表示です。1kmごとの距離表示に、トイレまで○○mと記されていたのです。これは素晴らしいと思いました。レース中に催してしまうと、トイレがどこにあるか、大変不安になります。それがこうして予告されていますと、安心して次のトイレを目指すことができます。これは各地の大会でも参考にしていただきたいと思いました。
尿意は感じつつあるものの、切羽詰まった状態になっているわけでもないので、私はそのまま走り続けました。
道幅は狭くなっており、1車線だけを使って走ります。10,000人がこの道幅で大丈夫かと心配をしていた道ですが、すでに10kmを過ぎているので、スタート直後よりはばらけてきているようです。どうにか1車線の中に収まって走っています。
天理市に向かう国道169号に入ってしばらく走ると、なにやら見慣れた言葉が飛び込んできます。
しかし、どうもこの店構えと文字が、旭川出身者(正確には隣町の美瑛ですが)の目から見ると違和感を感じます(笑)。本当に旭川ラーメンなのでしょうか?寄って確かめてみたかったのですが、今日はお金を持たずに走っていますし、まだ準備中のようでした。残念ながら諦めました。
ほぼ直線の線形なのですが、走っているとそれほど直線とは感じません。その理由の一つはアップダウンです。平面的な線形は直線ですが、縦断的な線形は緩やかなアップダウンが連続しています。ですから、直線といいながら変化を感じるコースです。
このあたり、沿道の応援も多く出ています。そして道幅が狭いこともあり、応援との距離が近く感じます。おかげでたくさんの応援をいただきました。このあたりでもやはり、「おがまん」と名前を呼んで応援される何倍も、「北海道」というかけ声で応援されました。もともとチーム名に「北海道」という名前を入れたのは、道外遠征の時にたくさん応援してもらいたいという気持ちからでした。その効果はてきめんでした。
ただ予想外だったのは、その応援の中身です。「北海道頑張れ!」と声をかけていただくことは狙っていました。でも、「北海道から来てくれてありがとう」と声をかけてくれる人もけっこう多くいたということは驚きでした。自分が道楽で走っていて「ありがとう」と言われるなんて、考えてもみませんでした。そうして声をかけられるたびに、私も元気に返事をしながら走りました。
応援の声ばかりじゃなく、話し声もよく聞こえます。通り過ぎたあとで、「北海道からも来てはるんやわ」などと話している声もよく聞きました。
LRS北海道の皆さん。このウェア、道外ではたくさん応援してもらえますよ。ぜひ道外遠征をしましょう。
15km地点も快調に通過します。時間は1時間28分39秒。この間の5kmは27分42秒と、少しペースが上がっています。さらに進みますと、コースは左折して県道に入ります。すると、これまではずっと建物を見ながら走ってきたのですが、景色が一変します。左右に広がる田園地帯。これはまた、のどかで素晴らしい光景です。
ところが、間もなく私は信じられないものを目にします。
RCサクセションの曲が大音量で流れています。その音の方を見ると・・・えっ?降りできたのか、清志郎!!!
体が固まってしまい(と言いつつも足はちゃんと動いていましたが)、しかも清志郎は復路側にいたためカメラを構えることもできませんでした。このポイントをしっかりと頭に入れて先に進みます。復路ではしっかりとカメラを取り出すこととしましょう。
清志郎ポイントを過ぎ、のどかな田園風景の中を走ります。しかしそののどかさとは裏腹に、この先には試練が待ち受けています。
高低差60数mを上って下る。ここを往路と復路、2度通ります。コース図を見たときから、最大のポイントと注目をしていたところです。コースは徐々に上り勾配になっていきました。
最初のうちは緩やかに感じる上り坂ですが、だんだんその勾配が急になっていくように感じます。そんな私たちの背中を押してくれるのは、やはり応援の力です。勾配が急な上り坂のところで、太い竹を台の上に置いて勇ましくそれを叩きながら応援してくれているところもありました。苦しいところだっただけにカメラを取り出す余裕はありませんでしたが、大いに力づけられる応援でした。
でもこのあたりからの上りは本当につらく感じました。しかもコース図によると、上るのと同じような感じで下っているはずです。そしてまた復路でもここを越えなければなりません。往路はどうにか耐えたとしても、復路で耐えられるのでしょうか。この上りを終えるまでは、足を使わずに我慢する必要がありそうです。
このあたりの給水所で、給食も登場しました。バナナや飴に加えて、細長いパンもあります。私はそのパンを受け取って少しずつ食べましたが、このパンがとても美味しく感じました。そのパンを食べながら、苦しいコースを上っていきます。
そんな苦しさと闘っている私たちを、天理和太鼓倶楽部の皆さんも勇壮な太鼓の響きで私たちを力づけてくれます。
ようやく下りに差しかかり、20km地点を1時間58分31秒で通過します。この間の5kmは29分52秒かかっていますが、上りが多かった分、無理もないでしょう。むしろ、予定通りの安定したペースで走れていると思います。
間もなく名阪国道にかかる白川大橋を渡ります。
この橋を過ぎると、下り勾配もきつくなってきました。復路では30km手前でこの急坂を上ることになります。やはりここは最大の難所となりそうです。(つづく)
Let's Run with a Smile!