3.大雨のEXPO会場
11月19日。私もゆっくりと起床しましたが、Ogakunはなかなかベッドから抜け出そうとしません。外は雨。観光のめども立たないこともあり、そのまま寝せておきました。
でもさすがに9時を過ぎると起きるように促しました。神戸マラソンの受付開始は10時からです。朝食のことも考えなければなりません。
ようやく起きたOgakunを急かし、行動開始します。
今日の日程として固まっているのは船上前夜祭です。ルミナス神戸2で行われるディナークルーズ。乗船受付は15時30分まで。そしてクルーズの時間は16時から18時。夕食というにはちょっと中途半端な時間です。
これにあわせるため、まずは受付会場に直行して、受付を終えEXPOを回った後、同時開催の兵庫・神戸グルメフェスティバルで朝昼兼用とし、そのあと三宮のセンター街にでも繰り出そうということにしました。
JRとポートライナーを乗り継いで受付会場に向かいます。ポートライナーでは、神戸マラソン限定バージョンの1日乗車券を販売しています。2枚1組だと台紙付きでの販売になっています。私は当然のように台紙付きを買いました。
市民広場駅に着くと、すでに大勢のランナーが受付会場を目指しています。
雨は一段と激しくなり、10mmを超える雨となっていました。ランナーの動線は、その後受付会場までぐるっと回って歩くように設定されています。私たちは傘をさして歩きましたが、激しい雨のために靴もズボンもすぐにずぶ濡れになってしまいました。
しかし大変なのは要所要所に立って誘導にあたっているボランティアの皆さんです。ビニール合羽を身にまとい誘導していますが、この雨の中、大変な重労働だと思います。それなのに、普通に笑顔で声をかけてくれているのです。そんな姿を見ただけで、神戸マラソンは大会そのものも間違いなく素晴らしい大会となることを確信しました。
受付会場は、まだそれほどの混雑ではありませんでした。身分証明書の確認を受け、受付を済ませます。その受付でいただいた袋の中には、手書きのメッセージが入っていました。
雨の中で誘導をしているボランティアの皆さんといい、心のこもったメッセージといい、「感謝と友情」というこの大会のテーマを強く感じます。
受け取ったナンバーカードには、ナンバー抽選の当選マークがついていました。
当選した賞品は、兵庫県名産揖保の糸でした。Ogakunの食料となるようプレゼントしてあげました(笑)。
この大会では、チャリティゼッケンがあります。エントリー時に500円のチャリティゼッケンを申し込むと、東日本大震災の被災者に向けた手書きのメッセージを書けるゼッケンをもらい、それぞれがメッセージを書いてつけることができるというものです。しかし陸連からストップがかかったとのことで、チャリティゼッケンは「がんばろう日本」というメッセージの入ったナンバーカードになっていました(チャリティゼッケンを返して返金してもらうことにも応じていました)。その代わりにメッセージシートをもらい、それにメッセージを書いて「がんばろう日本」と書かれたボードに貼っていくという形になっていました。
チャリティゼッケンを申し込んでいた私たちも参加し、メッセージを書いてボードに貼り付けました。
受付会場の奥では、鍼のサービスもやってました。兵庫県鍼灸師会により、足(前面は腿と脛。後面はハム、膝裏、ふくらはぎ)に皮内鍼を打ってくれました。私は腰の治療で鍼も打っていますし、皮内鍼の経験もあります。鍼の効果がわかっているので、喜んで打ってもらいます。鍼治療の経験のないOgakunはちょっとびびってましたが、彼も打ってもらいました。
それからEXPO会場に回ります。参加賞Tシャツは、こちらで受け取るようになっていました。
EXPO会場で私が一番楽しみにしていたのは、日本燐寸工業会による「復興を願いながら、被災地地図を緑のマッチで埋め尽くそう!」です。東日本大震災への義援金を募金すると、1箱20本入りのマッチ(火がつかないよう特殊加工された緑色のマッチ)を渡されます。このマッチを特製の被災地地図に差し、緑色の地図を作成しようというものです。早速募金をして、私も20本のマッチを刺してきました。
そのほか、各店の出店を見て回ります。特にこの機会に購入しようと思っていたものもないので、ぶらぶらと見て回りました。
特に念入りに見たのは、神戸マラソンのメモリアルグッズのブースです。完走証や完走メダルのホルダー。また、名前やタイムを入れられるキーホルダーなどの記念グッズ。あまり高いものは買えませんが、もしもサブフォーで走れたら、タイム入りのキーホルダーなんかを買いたいなと思っていましたので、現物をじっくりと見ました。
このEXPOで最も興味を持ったのは、日本赤十字社のブースです。こちらでは、心肺蘇生法やAEDの使用方法について簡単な講習をやっていました。
帯広にいた頃は、毎年のように普通救命講習を受けていた私。こうして講習を受けておけば、レース中に倒れる人と出くわしても、そのときに救命にあたる心の準備はできます。でもわざわざ救命講習を受けに行くというのは、なかなかできないかもしれません。こうしてEXPO会場でやってくれると、多くの人が受けやすいでしょう。実際、入れ替わり立ち替わり参加者が立ち寄っていました。
EXPO会場を後にした私たちは、兵庫・神戸グルメフェスティバルの会場を目指します。しかし一段と雨脚は強くなり、靴もズボンもどんどん濡れていきます。
ようやくイベント会場に到着しましたが、そこはステージイベントなどの会場でした。目的のグルメフェスティバル会場はまだまだ先です。途中には水たまりが広がっています。
気温が高いのだけは救いでしたが、靴もズボンもずぶ濡れになって、ここですっかり気持ちが折れてしまいました。もうこれ以上靴を濡らしたくありません。私たちは三宮へ引き返すことにしました。(つづく)