平成の 源平ならぬ 父子合戦~第1回神戸マラソン完走記5 | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

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還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

5.スタートを待つ緊張感


 朝、5時30分に目覚ましをセットしていたのですが、それより早く目覚めてしまいました。ゆっくりと布団を抜け出し、トイレに行ったりウェアを準備したりします。


 前日にマメのできかかった右足の裏。相変わらず違和感があります。いつ水ぶくれができてしまうか、不安が一杯ですが、もうどうしようもありません。それでもディクトンスポーツを塗りこみます。最近、股ずれするようになったため、その対策のため持ってきていました。もちろん、股にも塗りこみました。


 今日のウェアはいつもと同じ勝負ウェアです。この姿で、最後まで笑顔で走りきることが目標です。


Road to SAROMAN BLUE-神戸・ウェア


 いつもはランシャツの下に着る蛍光イエローのTシャツは着て出るのですが、ランシャツは会場に着いてからゆっくり着ています。でも、今日はなんだか面倒です。走る格好をして、その上からベンチコートを着て行くことにします。


 6時になったらおにぎりを1個食べ、6時30分になったらもう1個食べ、準備を進めていきます。そしてトイレも済ませて、7時過ぎになっていざ出発です。自動販売機でスポーツドリンクを買い、チビチビと飲みながらスタート会場に向かいます。


 兵庫駅から三ノ宮駅までは10分弱。電車も相当混雑しているかと思いましたが、そうでもありませんでした。でも三宮に到着すると、各方面からランナーが大勢集まってきていました。私たちはその流れに沿って集合場所に向かいます。


 間もなく路上に設置してある表示を見ると、OgakunのBブロックは直進、そして私のDブロックは右に曲がるようになっています。


 今回の神戸マラソン。当選発表時に5,000人を超える落選者に誤当選メールを送り、その全てを当選扱いとしたため、当初の予定よりも参加者が増えています。そのため、スタート前の集合場所が当初に予定していた場所だけでは収まりきらないことになり、2ヶ所に分かれることになりました。スタートブロックAからEは東遊園地。FからKは震災復興記念公園です。私たちは同じ東遊園地ということで、一緒に準備をできると思ったのですが、ここで案内に従って二手に分かれました。結局このあと、Ogakunとはスタート前に会えませんでした。


 ランナー専用エリアに入る前に集合しているチームの姿が多く見えます。集合エリアが2ヶ所に分かれているため、こうしてランナー専用エリアに入る前に集まらなければ、チーム全員で揃うこともできません。おそらくそのために、専用エリアに入る前に集まっているのでしょう。


 そんな人の波に流されるように進み、ランナー専用エリアに入りました。


Road to SAROMAN BLUE-会場に集まるランナー


 朝食におにぎりを2つ食べ、スタート前に食べようとゼリーと草大福を用意しています。7時30分を回り、スタートまで1時間余り。ちょっと早いのですが、ゼリーを摂りました。そして大福は・・・スタート前の緊張感が増し、食欲が出てきません。


 ゴールに送る荷物の受付時間は8時15分まで。ギリギリの時間になると混雑することが予想されます。だから8時までには預けてしまおうと思っていました。しかしながら、それまでの間、話し相手になるだろうと思っていたOgakunの姿はありません。時間をもてあましてしまいました。


 もういいや。


 草大福を食べたくなるような気配もないし、荷物袋の中に入れてしまい、トラックに預けてしまうことにしました。荷物預かりのトラックもわかりやすい場所にあり、すぐにわかりました。


Road to SAROMAN BLUE-荷物預かりトラック


 そういえば迷子になりそうだった第1回東京マラソンのときは、慌てていたこともあり自分が預けるトラックを見つけるのもひと苦労で、たしか5分前くらいにやっとトラックを見つけて、ギリギリで預けることができたのでした。このときは、荷物預けに間に合わない人もいたようで、荷物袋を持って走っていた人も何人か見かけましたからね。


 早々と荷物を預けてしまい身軽になりました。今日のウェアの上にベンチコートを1枚羽織っただけです。朝の空気はちょっとひんやりとしているように感じましたが、ベンチコートを脱いでも寒くはなさそうです。ぶらぶらと歩きながら東遊園地に向かいました。


Road to SAROMAN BLUE-東遊園地


 荷物を預けてしまえば、あとスタート前にしなければならないのはトイレだけです。ところが東遊園地内のトイレは、公衆トイレも仮設トイレもものすごい列ができています。


 時間の余裕はありますから、この列に並んでも何も問題はありません。でも、目立たない場所のトイレはけっこう空いていたりします。第1回東京マラソンのときも、みんなが集まっている場所のトイレは長蛇の列でしたが、離れたところにあったトイレは行列がなく(行列がないことが、逆にトイレの存在をわかりづらくしています)空いてました。


 もしかしてこの大会も・・・と思い、コースの近くにある仮設トイレに行ってみると、案の定こちらは空いていて、すぐに用を足せました。それから先ほどの列に戻り、そちらのトイレが空いている旨を列の後方の皆さんに伝えました。あとから、ボランティアの方もそのように誘導していたようです。


 これでいよいよすることがなくなりました。私はフレンドシップバンクウェア回収BOXに上着を入れて、スタートエリアに向かいました。回収BOXを覗きましたが、比較的暖かいせいか、あまり入っていません。そして入っている上着の中には、ビニール合羽も何枚か・・・。この回収BOXの趣旨を考えたら、ビニール合羽はそぐわないんじゃないですか?そのくらいのこと、わからないものですかね・・・。


 スタートエリアには8時前に入ってしまいました。Dブロックのエリアからは、市役所の建物が遠くに見えます。あの市役所前からスタートのはず。ということは、かなりの距離があります。やはりスタートロスは、5分くらい見込んでおいたほうがよさそうです。


 上空では、取材のヘリでしょうか、爆音を鳴らしながら飛んでいました。そんな中、8時40分からはスタートセレモニーが始まります。でもせっかくのブラスバンドや合唱がヘリの爆音にかき消されて残念に思いました。


 そうこうしているうちに、刻一刻とスタート時刻が近づいてきます。スタートを待つ緊張感が、なんとも心地好く思えます。やがてファンファーレが鳴り出しました。今まさに、第1回神戸マラソンの始まりです。(つづく)



※フレンドシップバンクウェア回収BOXとは


 神戸マラソンでは、震災から復興した経験・教訓を世界中の被災者に提供していくという目的で、フレンドシップバンクを設立し、人的支援、物的支援、財的支援の活動をしていきます。


 フレンドシップバンクウェア回収BOXは、スタート地点でランナーが着ている防寒着を提供してもらい、それをクリーニングの上で保管し、災害時に活用しようというものです。今回は、スタートエリアの入り口にこのBOXが設置されていました。


 そのほか物的支援としては、参加賞Tシャツやフィニッシャータオルも、余ったものはバンクにストックし、ボランティアのウェアも、当日参加できない人はウェアをバンクに回すので、返納するよう呼びかけていたそうです。