自分の両親というのは、これまで一番その人生を間近で見てきた人間です。だから若い頃を歳をとってからどう変わってきたということを実感できます。
父親を見ていて思ったことが、これまでいくつかあります。
たとえばテレビ番組で、懐メロ番組が好きなこと。子どもの頃にそんな姿を見ていて、どうして何十年も前の曲をそんなに聴きたがるのだろうと不思議に思ったものでした。
でもいま、私が好んで聴く音楽番組は、最近のアイドル歌手やK-POPが氾濫している歌番組ではなく、井上陽水など、私の青春時代に一世を風靡したアーティストが出てくるような番組です。
ふと気がつけば、自分も父と同様に懐メロを好んで聴いていました。
また、若い頃は家族に対しても荒い言葉遣いだった父が、母に対して妙に丁寧な言い方をしているのを見て、父も変わったものだと思ったことがありました。
いま気づいてみると、私も若い頃と比べて妙に丁寧な言い方で奥さんと接していることに気がつきます。しかもその口調は、父のそれとそっくりです。
テレビ番組といえば、温泉地の紹介など、旅番組を好んで見るようにもなっています。
一方の私はというと、鉄道・絶景の旅や全国百線鉄道の旅など、鉄道番組をはじめとした旅番組を見る機会が増えています。
なんだか、いろいろなところで、父の後をなぞっているんですよね。
気がつけば私も52歳。もしかすると、自分の中にある父のイメージよりも、歳をとってしまったのかもしれません。