現状の 力だしきる 大健走~第42回白老町健康マラソン・ファミリーウォーキング完走記3 | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

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還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

(3)安定したペースの往路

 スタート地点にはすでに参加するランナーが集まっています。その予想タイムによりエリアが3つに分かれていて、私は最後のグループに入りました。多分真ん中のエリアのタイムぐらい出せるだろうと思ったのですが、後ろからゆっくりとスタートし、徐々にペースを上げていこうというレースプランでした。

スタート前

 今回は腕時計を用意していません。忘れたのではなく、持ってきませんでした。腕につけたスマホのアプリでラップタイムを計測するのみとしました。ラップタイムによって自分のペースをコントロールするつもりはなく、ただ現在のペースを確認しながら走る分にはこれで十分です。

 おそらく今の状態ならばキロ6分で走るのも難しいでしょう。キロ6分で1時間36分ですから、1時間40分を切れるかどうかというのが予想タイムです。

 スタート前のカウントダウンが始まります。ちょっと離れているため何秒前と言ったのか聞き漏らしましたが、アプリの準備をしてスタートを待ちます。やがてスターターの右腕が上がるのが見え、スタート準備をしました。

「バン」

 号砲が鳴るとともにアプリを起動し、腕につけたホルダーに収めます。選手の列はまもなく動き出し、私もスタートしました。

 第3コーナーの手前からスタートして、最初は競技場内を2周半してからロードに出ます。ランナーは横に広がりますが、コーナーでは最短距離を回るためにインコースに集中します。比較的ばらけている外側のコースを選んで私は走りました。

 控えめのペースで走っているつもりですが、周囲のペースは私の望むペースよりちょっと遅く感じます。そのため少しずつランナーを交わしつつ走っていきます。

 残り1周となってホームストレートを走っているとき、後ろからものすごい勢いで足音が近づいてきます。先頭の集団が早くもやってきていました。そしてそのまま私たちを周回遅れにして競技場外へと出て行きました。それからゆっくり1周周り、私も競技場外へと出て行きました。

 左腕につけたスマホから1キロのラップが告げられます。前をふさがれて思うようなペースで走れていないにも関わらず、そのペースは5分50秒と想定以上の速いペースでした。

 一瞬オーバーペースの不安も感じましたが、ここまで無理をしたり引っ張られたりしている感じはありません。それなら無理して抑える必要もなかろうと思い、そのまま自然な走りを続けることとしました。

 競技場を出ると公園内の道を下っていき(ということは、最後の最後で上り坂が待っているということです)、小学校のグラウンド横の住宅街を走ってから桜ヶ丘通りに出ます。やがて2キロ地点となりました。2キロのラップは下り坂の影響もあるのでしょうが5分18秒と上がっていました。さすがにこれは早すぎるだろうと思いましたが、「きっとこれは下りのせいだ」と自分に言い聞かせて同じペースを守ります。

 コースは桜ヶ丘通りから右に折れて白老駐屯地へと向かう道に入ります。事前に見たところではここから折り返し地点までは上り坂です。でも実際に走ってみると、やや上っているという感じはあるものの、さほど急な上り坂はなく、比較的走りやすいコースでした。仙台藩白老元陣屋資料館の横を通り、色づき始めた林の間を通るなどして淡々と折り返し点を目指します。

林間

 3キロ以降のラップタイムは5分28秒、5分41秒と落ち着いてきました。上りになったことと写真撮影でサボったことがその理由でしょう。16キロの4分の1を終えましたが、体はまだまだ余裕があります。順調なすべり出しでした。

 3キロを過ぎた高速道路の高架下に最初の給水所がありました。しかし殺到するランナーに対してスタッフの数が足りず、全然間に合っていません。ここでの給水を諦めて、折り返し点での給水を取ることにしました。

 その後もあまり人家の見えないエリアを淡々と走っていきます。少し単調で退屈さも感じます。

 空は相変わらずどんよりと曇っています。でもスタート前後で降っていた霧雨は、このころにはすでにやんでいました。本格的な降りにならなかったことは本当に助かりました。

 このあたりまでくると周辺のランナーの数も減り、自分のペースで走れるようになります。私も安定したペースで走っていました。

 やがて折り返してきた先頭のランナーとすれ違います。それからは折り返してくるランナーの数も徐々に増え、私もドサクサにまぎれてここで折り返したいという衝動に駆られます。折り返し点が近づくにつれて少しずつダメージを感じ始めているようです。

 5キロのラップは5分32秒でした。最初の5キロは27分49秒と、マラソンを走るなら理想的なペースでした。どうやら今でもまだ体にはこのペースがしみついているようです。しっかりと練習を積んで体を作り直すことができれば、またマラソンに復帰することができるかもしれません。

 その後も5分37秒、5分34秒と安定したラップを刻みます。ただラップタイムだけを見ると順調そうですが、体は少しずつダメージを感じ始めています。それを認めまいとして体が最後の抵抗をしているのでしょうか、8キロのラップは5分16秒と速くなりました。これは体が動くようになってペースが上がったのと違ってよくない兆候です。

 やがて折り返し点が見えてきました。その手前には給水所もあります。たくさん並んだコップから1つ取り、半分を飲んで半分は首にかけます。そしてゴミ袋に紙コップを捨てて折り返し点を回りました。(つづく)

折り返し


(1)2か月半ぶりの大会参加
(2)スタート前のアクシデント


(4)会心のゴール


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