人気マラソン大会の定員割れ | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

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還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

 先日、これまでは抽選となっていた人気マラソン大会のひとつが、定員割れを起こしたという記事を見ました。その記事の中では、参加料の高騰を原因の一つとしてあげていました。

 コロナ禍のため、令和2年度あたりからおよそ2年間、ほとんどの大会が中止あるいはオンライン開催となりました。本年度からは一部の大会が希望を縮小したりしつつも再開されるようになり、大会を待ち望んでいたランナーたちが殺到しているのだろうと思っていたので、意外なニュースでした。

 たしかに、参加料の高騰というのは理由となるでしょう。コロナ禍以前、私が熱心に走っていた頃でも、大きな大会の参加料は1万円以上というのが当たり前になっていました。マラソンブーム以前は3千円~5千円くらいが相場でしたから、マラソンブームは参加料相場を倍以上に跳ね上げてしまいました。

 それでも大会を開催する莫大な経費を考えるとやむを得ないことと思い、私もためらわずに支払ってきました。でもそれがさらに高騰したとなると、さすがに考えてしまいます。いや、こうして走ることから離れてしまったいまとなっては、1万円以上の参加料をためらわずに支払っていたあの頃のことですら、まるで洗脳か集団催眠にでもかけられていたのではないかと思えるくらい、信じられないことです。今の私には、大会参加料に1万円もの価値を見出すことはできません。

 でも定員割れの原因は、そのことだけではないと思います。たとえば大会がなくなったことで走るモチベーションを失い、この2年の間にほかに打ち込むことを見つけたという方も少なからずおられるのではないでしょうか。走り続けている人の中にも、大会に出なくても楽しめるランニングスタイルが定着した方もおられると思います。さらには未だマラソン大会の密な状態の中に入ることをためらうという方も少なくないでしょう。そうした様々な理由により、定員割れという事態が発生したのだと思います。

 ただこれは、ある意味いいことなのかもしれません。コロナ禍以前のマラソンブームには、少々異常なものを感じていました。抽選大会に落ち続けたり、先着順の大会はクリック合戦でなかなかつながらなかったり、ゴールするよりエントリーする方が大変という状況に、私自身は嫌気をさしていました。だからランナー晩年には、そうした大きな大会には見向きもしなくなり、ローカル大会ばかり好んで参加するようになっていました。

 私が走り始めたころは、走りたい大会には(参加資格が設けられていない限り)誰もがエントリーできました。そんなのどかな時代が戻ってくるよう、願ってやみません。