いやあ、このようなお寺があること、まったく知りませんでした。
道北の幌延町にある芳荷山長應寺は、徳川家康公の最初の側室である西郡局の菩提寺なのだそうです。
どうして北海道に西郡局の菩提寺が?と驚いてしまったのですが、その経緯を聞いて理解できました。
もともと長應寺は文明11年(1479年)、西郡(愛知県蒲郡市)に鵜殿氏の寄進により開基され、鵜殿氏の菩提寺となっていました。しかしその後、戦災により焼失してしまいました。
長應寺住職6世日翁上人は江戸の日比谷に移り、ー寺を建立して長応寺の法燈をかかげていましたが、天正18年(1590年)の徳川家康公の江戸入府の際、鵜殿氏出身の西郡局が日翁上人に再会して帰依し、多大な寄進をすることにより江戸に再興されました。
幕末になると長應寺がオランダ公館として使用されることになり寺院としての活動はほとんど停止され、明治維新後は廃仏毀釈や士族の没落などの影響もあってすっかり寺運衰微してしまいました。
そこで寺勢挽回を図るべく、北海道天塩郡幌延村に法華宗農場を開設して移り、北海道の開拓開教にあたりました。当時は現在の上幌延地域にありましたが、2019年に現在地に移転しています。
現在も室町時代に描かれたとされる絵曼荼羅をはじめ、徳川家ゆかりの品々が秘蔵されています。
西郡局の命日である5月14日にちなみ、毎年5月第2日曜日には葵祭りが行われ、絵曼荼羅などが公開されるそうです。コロナ禍でしばらくは開催されていませんでしたが、昨年は4年ぶりに法要のみを執り行い、今年は5年ぶりに絵曼荼羅なども公開するようです。今週末、5月12日ですね。
行きたい!ぜひ行きたい!だけど……。
この日はもう別の外せない予定を入れてしまいました。あー、残念!来年は5月第2日曜日に別の予定を入れないようにします。
2014年幌延町広報誌の表紙に載せられた絵曼荼羅