今月、妹の結婚式があります



もし、急にスピーチを頼まれた場合を考え



兄としてスピーチの下書きを書こう




結婚おめでとう



君が生まれた日、僕はその日からお兄ちゃんになった



まだ幼稚園もいってなかったのかな



小さくて、まだぜんぜん子供なのに、お兄ちゃんになった



呼ばれるのも、ほとんどが名前じゃなくてお兄ちゃん



扱いも、お兄ちゃんになった



それがすごく嫌だったんだよ



おれ、ケーキがでてもほとんど食べないよね



みんな嫌いだと思ってる



でも本当はね、君に飾りのサンタさんをあげたくて



君に大きいケーキを食べてほしくて



ケーキが嫌いになっちゃった



車に乗るとき、後ろの席がいいっていうよね



でも本当は前に乗りたかったんだよ



運転するお父さんも、小さい子が隣だと楽しいよね



君は前に乗って、たくさんの景色をみてね



それで、後ろが好きになっちゃった



お兄ちゃんだから我慢しなさいっていうのが怖くて



いつもいらないって言ってた



お兄ちゃんなのにっていわれるのが怖くて



いつも一人で生きていくことを考えてた



妹が主役で、俺はついでにその場にいるような気がして



いつも居場所がなかった



旅行が好きなんじゃないよ



連れてってって言葉が出てこなくて、一人旅になれちゃった



俺は、生まれて今までずっと、お兄ちゃんだった



でも、君が生まれてきてくれて 君が俺の妹で



本当によかった  うれしかった



こんなこと、ちっぽけなことに思えるくらい



一緒にすごした思い出、楽しかった思い出がたくさんある



小さい頃から、ずっと一緒で



何歳になっても、一緒に遊びにいったりしてたね



妹がいて本当によかったと思う



俺は、どんなお兄ちゃんだったのかな



親の変わりに、君のことを守るために一生懸命だった



親の変わりに、君を幸せにしようと一生懸命だった



結婚するってきいて、少し寂しかった



でも、それ以上にうれしかった



今日から、君を守ること、君を幸せにすることを



彼に受け継いでもらえたらうれしいです。





最後に、先輩夫婦として一言



いまこれだけの人が、2人のために集まってくれています



結婚し子供が出来て、初めて気がつきました



親戚の前で愛想よくする親が、俺は嫌いでした



親戚が帰省してくるたび、接待する親が



俺は嫌いでした



休みになると実家に手伝いに帰る親が嫌いでした



親戚の子と仲良くさせようとする親が



俺は嫌いでした



でもそのおかげで、今も親戚の輪が崩れずに



こうやって2人の幸せを喜んで、かけつけてくれる



2人の助けになりたいと思ってくれる人が、たくさんいる



いまここにいる人たちは、君たちのことと同じように



両親のことも好きな人



そして、君たちの親が何年も何年もかかって作り上げてきた



家族



その家族が居心地がよくて大好きだったから



君たちもまた新しい家族を作ろうと思えた



子供が、自分たちも新しい家族を作りたいと思える



そんな家族を作ってくれたこと



そして、それを祝福したいと思ってくれる輪を



壊さず大切にしてくれたこと



しっかり受け継ぎ、未来へつないでほしいと思います。



そして、その幸せな家族と過ごした思い出を



忘れないでください



結婚おめでとう