<2011年10月15日の記事の再掲>

 

発達障害のアスペルガー症候群(←リンクあり)であることを公表し、当事者ならではの苦悩や葛藤を音楽に乗せて発信し続ける福井県越前市出身の女性がいる。つらい経験を打ち明けてでも、伝えたいメッセージがあるという。

 

この女性は川崎市のシンガーソングライター堀川ひとみさん(←Wikipediaのリンクあり)

幼稚園のころから「他人と何かが違う」「みんなの感覚が分からない」と違和感を抱きながら、高校3年まで越前市で暮らした。

登校拒否になるほどのいじめにも遭う中、よく音楽室にこもって心を落ち着かせた。「ピアノを弾く時は不思議と寂しさが紛れた」という。

 

東京の大学に進んで本格的に作曲やライブ活動を始めるようになるが、人間関係の悩みは絶えなかった。

卒業後も仕事や組織になじめず職場を転々。はさみで自分の体を傷付け、自殺を考えて何度もビルの屋上に登った。「自分は何者だろうと考え続けたけど、答えはなかった」。

2006年、29歳で発表したファーストアルバム「私の心嘘だらけ」にはこのころの心情がつづられている。

 

しかし、30歳の時に転機が訪れる。病院でアスペルガー症候群と診断された。他人と感覚が異なる理由がようやく判明し「私という人間の説明書をもらったような衝撃」を受けた。

発達障害者の支援を国と地方自治体に義務付ける法律(発達障害者支援法 ←リンクあり)が2005年に施行されたこともあり、同症候群の認知度は急激に高まっていた。

公表することで理解者が現れ始め、自分自身も周りの人をもっと理解しようと心を開くようになっていった。

 

昨年リリースした最新作の3枚目アルバムには、相互理解の大切さを歌った「最初の人」をはじめ、前向きな曲がいくつも収録されている。

 

『福井新聞』 2011年9月27日付

 

<引用は以上>

 

発達障害について知らない人で、知的障害と似たものだと思っている人がいますが、この記事を読むと違いが分かるのではないでしょうか。

発達障害は、コミュニケーションをとることが著しく困難な障害で、人間関係がうまくいきません。

細かい部分は人によって異なりますが、「独特な言葉づかいや生活様式」「限定されたものへのこだわりが異常に強い」「空気が読めない」などの特徴があります。

堀川ひとみさんもその一人で、知的レベルには問題がないが、人間関係において様々な障害のあるアスペルガー症候群です。

一般の人には分からないたくさんの想いがあるでしょう。それを詞やメロディーに表して、歌い続けています。

アスペルガー症候群をはじめとした発達障害の当事者やその家族が堀川さんの曲を聴いたら、共感できる部分がきっとあると思います。

 

 

 

【追記】

堀川ひとみさん、コメントありがとうございます。

まさかご本人からコメントをいただけるとは思ってもみませんでした。アメブロにブログがあることを知らなかったので…。

陰ながら応援しています。

 

「最初の人」 (2009.2.22@中野サンプラザ)

https://www.youtube.com/watch?v=0aiodAfB1jI