免疫力の特選記事の第2回です。

<2013年5月4日の記事の再掲>


一つ目の動画でお話している東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎先生は、寄生虫学、感染免疫学が専門で、免疫と伝染病研究の第一人者です。
藤田先生の著書に『脳はバカ、腸はかしこい』がありますが、その中で、人間の腸の優れた機能と、心と体の健康に与える影響をわかりやすく解説しています。

「腸は第二の脳」と言われています。
腸は複雑な生体機能をつかさどる臓器であり、人間の脳は元々、腸から派生したものだと考えられるからです。
例えば、脳内伝達物質であるドーパミンやセロトニンはかつて、腸内細菌の伝達物質でした。

今もセロトニンやドーパミンは腸で作られています。セロトニンが脳内でうまく伝達されないと、うつ状態になります。
つまり、腸内環境と精神には密接な関係があるのです。


腸は第二の脳


次に、腸内環境と免疫力の関係についてですが、これについては、前出の藤田先生だけでなく、免疫学の世界的権威である安保徹先生も免疫力の60%が腸管免疫力であり、腸内環境を良くすることが重要だと述べています。

腸内環境を良くする上で重要なことは、腸内細菌のバランスの適正化です。そのためにはまず、食物繊維や発酵食品、そして、体を温める食品を取り入れることが挙げられます。

発酵食品をいくつか挙げると、味噌、納豆、漬物、ヨーグルト(LG21菌のものが望ましい)、チーズなどがあります。
体を温める食品には、しょうが、ニンニク、ねぎ、ニラ、タマネギ、こしょう、シナモン、いわし、クリ、オレンジ、ごま、さつまいも、やまいも、小豆、しその葉などがあります。

ところで、大腸菌は悪玉菌と呼ばれていますが、大腸菌も腸内には不可欠な細菌です。これがなければアトピー性疾患になります。
「善玉」と呼ばれる菌だけでは、体はうまく機能しません。
善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスをいかに適正な状態にするかで、免疫力の向上につながるのです。

腸内細菌のベストバランス



最後に、便秘になると免疫力が低下します。
便が腸内で渋滞せず、腸内が活動しやすい状態にすることは、様々な病気を防ぐために非常に重要です。

便秘で免疫力低下



【腸内環境と糖尿病】
https://www.youtube.com/watch?v=UihLDsfcHf0


【腸内細菌の働き 善玉悪玉ではない】
https://www.youtube.com/watch?v=vlO4e79AQOI