誰だって自分が

一番でありたい
一番可愛がってもらいたい
一番必要としてほしい
一番勝ちたい
一番楽しい事をしたい



Momが出かける前の寂しそうな顔
朝も一番早くに起きて、彼女の側にいる



何かを晴らしたいかのような勢いで
かるがもにパンを投げてた


時折子どもらしいはしゃぎ声を上げるけど
ほんの一瞬のこと



やんちゃで愛らしくて頭の回転が早くて
みんなに可愛がられる妹
常に一番視線を集める彼女



自分の欲求と妹の優先とのジレンマを
押し隠すような彼の表情


手渡したデジカメで夢中になって撮ってた
きらきらした目


トランポリンで弾みながら
投げられるボールをよけるため
どきどきしながらでこっちを見てた目




もっとこっちにボールを投げて
いかないで、そばにいて
もっと遊んで
もっと使わせて
もっと誉めて
もっと楽しみたい


きっと、彼が出さずに
奥のほうに押し込んでいる言葉



二つの痛みを比較して
より痛くないほうを取る


より痛い思いをしないために
少し我慢する


こうやって押し込め押し込め覆われて
深くまで入りすぎて見えなくなったものを


今度は大人になってから探しにいくのかな



すべてはここにある って、そういうことでもあるのかな