朝一番の洗濯機を回し

前日に捏ねておいたパンをオーブンに入れ

珈琲を片手に窓際の椅子に腰掛ける

ゆっくり進む工事作業を見下ろしながら

行き交う街の人たちを

来ては去ってゆく旅人たちを眺めては

ビルの間に広がる青い空を見上げる



そう、それはまさしく、いつしか私が思い描いていた風景



晴れ渡る空や静かに降る雨や

静まり返った夜の道や流れる雲を眺めて

少しずつ変わりゆく景色を

変わらない私がいつもの場所からいつものように眺めて

あの人や

あの場所や

あの時や

いろんなことを考える





熱いカップを片手に

乾燥機の回る音を聞きながら

香ばしい香りがしてきたら

焼きたてのパンで朝ご飯の時間




なんて幸せな時間なんだろう

なんてゆるやかで優しくてあたたかいんだろう



私はなんて幸せ者なんだろう