むかし

「うまくいくよう願ってるよ」

との言葉に

「別に願わなくてもいいよ」

と返した人がいた



本当に手を組んで願ったりはしないし

そういう場に取り出して違和感のないフレーズ

黙って頷いておけばいい 一連の流れが組まれているもの

ただそれだけなのに

なんて捻れているんだろうと思った




それから何年が過ぎただろう

「うまくいくといいですね」

の言葉に

同じことを感じている自分がいた




他に適当なものを思いつかなかったからと

たとえ表面だけにしても言わなくてもいい

そんな場面もある





どんなことを言ったところで

席を立つまでの間を埋め合わせるための

何でもいいピースのひとつだということを浮き上がらせるだけ






それにしても

なんて捻れているんだろう