何かを求める私で在り続けるために


がむしゃらにかき集めたものを抱え込んだままでは


何かを求める私の姿に 囚われ続けるのだろうか




入ってきた形で 出てゆく


出て行く形で 入ってくる




ならば


今とは違うものを優先させて譲るまいと険しくなっていた


過去の日々の結果手元に残っているものに


固執することはないんじゃないかと


夜空にやたらくっきりと白く浮かび上がる雲を見ながら思う




空と雲は 昼も夜も同じようにそこにあるだけ


映画のようにまっ黒な布とワイヤーに吊られたボール紙の月が


青空の背景を隠すようにするすると降りてくるわけじゃない



走りながら夜空に昼の姿を見たとき はっとした




それはそこにあるだけで


どっちが表でどっちが裏だとか


そんなことは関係ないんだ




今どういう見方をすると決めるかで


翌朝目覚めた時の世界が変わっているだけなんだ