痛みや苦しみとは
自分を何者かに為しているのだという
誰かのために動けているのだという
己の社会貢献の度合いを示す
確認のために必要なものさしだと思っていた

世に満ちている
なんとかの法則というものに則って
削り取られた分の補填は
なんらかの形でされるはず
それを楽しみにすればこの痛みも
まだこんなに動けるという解釈に変わる

そんな風に顔を上げる力を得ていたけれど

それをポジティブ思考と呼んでいたけれど

手放してもいい痛みは
そんなに大事にいつまでも
持っていなくてもいいと気付いた

その痛みは結局あなたにしかわからない
それくらい何だ、耐えろよ
と、我慢比べのように言う人がいたとして
その人が眠れぬ夜を共に過ごしてくれるわけじゃない

本来ある姿を取り戻そうとすることは
何も後ろめたいことじゃない

いいじゃないか
いつまでもどこも悪くなく元気でいたって
勲章のように引きずる何かがなくたって

それとも
起こる変化をそのまま受け入れる寛容さを
持っているのだという確認と安心感の方が
今は大切なのか?