いいんだよ、それは人生がつけた目印みたいなものなんだ。

そこから離れるなよ、忘れるな、目をそらすな、って。


同じ人の中でも

すっきり忘れてしまう嫌なこともあれば

いつまでも残る些細なこともある。


どうしてそんな自分なんだろう?って思いを巡らしても

理解や操作を超えたところにあるんだ

手の入れようがないさ。


自分を許す、人も許すっていうのは何も

怒りのない人のように

すべてにたいして暖かく温和になれっていうんじゃない。


いつまでも引きずり許せない自分がいるってことも

認めて許してあげるんだ。

許してもらうんだ。


それでいいんだよ。

必要な目印なんだから。

必要な方向に向かえてるってことさ。


知識でいくらいいものだって思っても

体が反応しなきゃきついよ。誰だって。

それをよくも堪えたよな。




そう背中に手を当てられた瞬間

涙が溢れて止まらなくなった。