橋本 さちこです。

 

私は、子供を持ちたいと望む方のために、

また子供を持つという希望から

子どものいない人生を選択される方のために、

身体と心の両面からアプローチした

講座やカウセリングを

行っております。

 

 

今日「妊活」という言葉を見聞きすることが

さほど珍しくなくなってきました。

 

10年ほど前までは、妊活をしている女性は

ほとんど誰にも言えず、人知れず自己流に

妊活に取り組んだり、治療にも通っていました。

 

もちろん、今でもその傾向は強く、周囲の理解や

何が正しいのか分からず、手当たり次第に情報を

取ってきては、試してみる、という方法で

一生懸命に、「妊娠する」という目的に向かって

走っている方が多いのです。

 

 

私は10代の頃からとにかくホルモンバランスが不安定で

周囲が「生理中でお腹痛い」とか「生理煩わしい」とか言っている

隣で、「いいなぁ」と思っていました。

 

不快症状が良いのではなく、(当たり前ですが(笑))

「順調に月経がくるその身体」が羨ましかったのです。

 

同時に、将来子どもが産めないかもしれない、

という不安感もありました。

 

そこで17歳の時に一人で産婦人科の門を叩きました。

そこでホルモン検査をしたり、基礎体温をつけたりもしました。

漢方やホルモン剤を服用して効果もみていきました。

 

20歳を迎えた頃、それでもいまいち改善がない中

徐々にあることに

気がついていきました。

 

それは治療をすればすべてが解決するのではなく、

治療や身体の側面からのアプローチだけだと、

心が置き去りになっていきやすい、ということでした。

 

そして、実際本格的に不妊治療を開始すると、不安や心配事が

増えていくばかりで心はもっと遠くに

置いたままになっていました。

 

 

しかも、治療の最中は忙しく、まるで向かい風を受けている状態

で足を目の前に力一杯前に進めなくてはいけません。

まさに治療に挑戦し続けていることに必死でした。

 

私は産婦人科に13年以上通いながら、看護師として働き、

女性のホルモンの勉強や

妊娠について知識を積み重ねてきました。

それもこれも、「自分のことを知りたかったから」です。

 

なぜ私が「自分のことを知りたい」と

思っていたのか。

 

10代の頃は無意識だったので、

気に留めていませんでしたが、

 

それは「私とはなんなんだろう」という思いが

心の根っこにずっとあったからなんです。

 

私は小学生の頃まで家庭内不和で父親から

暴力を受けて育ちました。

 

中学生になってもその暴力に怯えて暮らしていました。

 

長女なので、下の妹や弟を守らなければ、と必死に

自分が立ちはだかり、子供ながらに正義感を

育てていきました。

 

こういった経験は長い期間続いたので、

生きてきた過程で様々な生きづらさを持って

きたのです。

 

それは自分が自分じゃないという感覚や

周囲と自分との距離感に違和感を

持って独自の価値観を作り上げて

いったからなんです。

 

 

ところが私に出会いが訪れます。

 

これまで家族でも危険だと思っていた私にとって、

他人が安全なわけがありませんでした。

 

ですが、初めて

「自分にとって安全な他人」と出会うことが

出来て、それまでの過去と向き合ったり、

自分の幸せについて深く考えるようになったのです。

 

その過程は一瞬ではなく、じんわりとちょっとずつ。

「あ、私前に進んでる!」」と実感しても

また元に戻るような感覚を味わいながら、

確実に変化を感じることが出来ていました。

 

それは、

・こんな歳になって誰かに本当の自分について正直に話すなんてと思って

いたものが、正直に腹の底から包み隠さず話すことが

出来るようになって

とても晴れやかな気持ちになったり、

 

・過去にとらわれずに前を向けたことで

過去の自分をねぎらい、心が落ち着いたり・・・。

 

でもこれらの気持ちになれたのは、妊活が終わって

からだったんです。

 

なので本当に妊活中はきつかったです。

 

 

なので妊活を振り返ると、

 

「私は幸せな妊活を送ってきただろうか?」

「私は自分の心と向き合ってきただろうか?」

 

こんな思いが漂い始めました。

 

妊活は「先の見えないトンネル」という表現がよく使われますが、

本当に先は見えません。見えませんでした。

 

でもそれは見えないようにしている原因が

隠されていることがあるんです。

 

通院していたクリニックでは

細かく丁寧に説明を聞くことが出来ました。

本当にこのクリニックを選んで良かったと個人的に

思います。

 

でも心や治療以外の方法については短い受診時間では

相談さえするのが難しかったのが本音でした。

 

 

妊活は知識だけでも何かの方法だけを取り入れても

ダメです。

 

当たり前ですよね、私たちはみんな違うので、

集まった人みんなが同じ方法で良い

わけではありません。

 

妊活の期間というのは一般的に「早く過ぎてほしい」

期間であると思いますが、

 

妊活の期間はこれまでの人生と

これからの人生が交わる大事な期間である

と思います。

 

その後の

妊活生活、

妊娠生活、

子育ての生活、

あるいは子どもを持たない生活

 

全てにおいてこれらの生活をより豊かに

穏やかに過ごせる準備期間でもあると

思います。

 

「子ども」も「人生も」自分で産む。

 

一緒に歩みを進める人が一人でも

増えたらこんなに嬉しいことはありません。