日能研生の不安要素を語るうえでは、やはり合格実績にも言及せざるを得ないでしょう。しかし色々とデリケートな部分も多く、少々言葉足らずに書いていますがご容赦下さい。

 

 

SAPIXの合格実績が飛びぬけているのは数字の通りだと思います。実績を見て元々できる子が集まっているうえ、全クラスが「開成に特化したような」カリキュラムで学んでいきますから、かなりできる子か、あるいは家庭教師/個別指導/親塾などあらゆる使えるものを使って、それについていけた人が実績を叩き出すのはまあそうだろうなと思います。

 

 

 

 

一方で、早稲アカ四谷大塚の合格実績を見る時は注意が必要です。

 

まずは早稲アカについてです。こちら↓は早稲アカの校舎ごとの合格実績を有志が集計した貴重なデータです。2024年は空欄(No Data)が多いので、2023年や2022年を見るのがいいと思います。

 

 

母数が分かって校舎ごとの実績を見ると、「日能研のうちの校舎とそんなには変わらないな」という印象の方も少なくないのではないでしょうか。基幹校(ExiV)を除けば、御三家に合格する人はいても校舎から1~数人というところです。雑誌などで見ている数字から受ける印象との差異があるとすると、その要因はNNやSPICAや馬渕教室の影響でしょう(詳しく知りたい方は調べて下さい)

 

最後は受験生も親もなりふりかまっていられず、使えるものは何でも使いたい心理になりますし、実際にNNの評判が良いのも事実ですが、だったらなおさらNNだけ利用した人と純早稲アカ生の内訳は、本当は明らかにしてほしいところです。

 

 

 

また、四谷大塚の合格実績には予習シリーズ/週テストを使う全国の加盟塾、提携塾の合格が含まれています。すなわち、例えばNNだけ利用した人を除く純早稲アカ生の実績は四谷大塚にもダブルカウントされていると考えられます。こちらも本当は内訳を明らかにしてほしいところです。

 

 

 

こういった事情から、早稲アカや四谷大塚が発表する合格実績は実態が見えにくい数字になっており、雑誌のランキングなどでは(他に使える数字がないため)これらの公称値がそのまま使われます。それを数字だけ見ると、日能研生は必要以上に不安になるということが起きやすいでしょう。

 

とはいえ数字のインパクトというのは大きく、「数字を見て人が集まる」ことで年月をかけて優秀層の在籍数もだんだんと実際にそのようになっていってしまう側面も、実際に進行中なのだと思います。日能研はこの面で損している感はあります。SNS情報によると、今年から4年生TMクラスを2クラス設置している校舎が複数あるようですし、日能研には「数字」でもこれからもう少し頑張って欲しいです。

 

※※追記※※

ご参考まで、日能研公式HPに校舎単位で合格実績が出ているいくつかの校舎のリンクをつけます。これらは日能研の中ではかなり実績がよい校舎です。

 

東京・池袋校(TMクラスあり)

神奈川・たまプラーザ校(TMクラスあり)

埼玉・南浦和校(TMクラスあり)

埼玉・川越校(TMクラスなし)

東京・八王子校(TMクラスなし)

愛知・千種校(Zクラスあり)

 

イベントバナー

 

いずれにしても――これは中高の大学合格実績などでも一緒ですが――合格実績はどこまでいっても他人の数字です。実績があまりにないことは目指しても厳しいということは言えますが、実績が良かったとしても結局のところ自分(あるいは我が子)が合格できるかどうかは別問題です。

 

合格するためにはどの塾からであろうと、どのみち相応の努力をするしかありませんので、子どもにとって頑張りやすい、あるいは親にとって伴走しやすい塾を選ぶことが大事だと思います。そのうえで、必要以上に不安にならず、冷静に我が子をよく見て作戦を練ることが重要だと思います。