Tomorrow comes over(20) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

え・・・


真太郎は今、自分の名を呼ばれたような気がして父を見た。



まっすぐと自分を見た父は



泣いていた。




「・・お父さん・・・」



呆然と声を掛けた。



北都は不自由な左手をそっと彼に伸ばした。



「・・真太郎、」



今度はハッキリと彼の声が聞こえた。




真尋のピアノが静かにゆったりと流れ




真太郎もそっと彼に手を伸ばした。



南はそんな二人の姿に気づいた。



真太郎が父の手をぎゅっと握り締めた。


北都はまた静かに目を閉じる


涙が零れ落ちて頬を伝わった。



「・・ありがとう。 ・・ありがとう、」



自分にそんな礼を言う父に真太郎も顔をゆがめて、何も言えずに涙をこぼした。




真太郎・・



南は胸がいっぱいになって


すごくすごくあったかい気持ちになって



二人を静かに見守った。







「記憶が戻ったかどうかなんて。 それはわからないけど。 でも・・・確かにオヤジはおれのことを『真太郎』って呼んでくれた。 もう・・・それで充分だって、」


庭で元気に走り回る竜生と真鈴をぼんやりと見ながら真太郎は言った。



「・・ちょっとずつ。 お義父さんの心に残ってる真太郎が蘇ってくると思うよ。 きっと真尋のピアノを聴いて・・・昔のことも思い出したのかもしれない。 お義父さん、本当に嬉しそうやった、」


南は彼の隣に座って静かにそう言った。



「これから・・・どうなるかわかんないけど。 おれは頑張る。 オヤジがおれを本当に慈しんで見守ってくれたことも・・わかったから。 これからはおれがオヤジを助ける、」



南を見てニッコリと笑った。



「めっちゃ。 男前やん。 ちょっとは逞しくなった?」


少し冗談っぽく言って南も笑った。



「だから。」


真太郎は改まったように南に向いて



「・・おれと。 一緒に頑張ってくれないか。 もう一度。 南の助けがなくちゃダメなんて・・情けないけど。 おれがこれから生きる人生には、やっぱり南が必要だ。 ・・・・もう一度・・おれと結婚して下さい、」



全ての思いを彼女にぶつけた。



少し驚いたような顔をしたあと、南はふっと笑って



「・・・壊そうと思っても・・・壊せへんもんやな。  それくらい・・・あたしたち・・ううん、この北都家のみんなはすんごい力で繋がってる。 そこに・・あたしもいたんやって。 あたしの・・・大好きで、一番大事な場所なんやって、」


はじめて出会った時の彼女と同じ笑顔。



真太郎は黙って南の手をとって彼女の左手を自分の右手に乗せた。



「一生・・・・愛し続ける。 結婚を決めた時と全くかわらない気持ちで・・・、」



南は目に涙をいっぱいためてぎゅっと彼の手を握った。




秋の高い高い空に


子供たちの笑い声が聞こえて。




全ての迷いや苦しみをどこかにやってしまうくらい



風が優しく靡いて。










ちょっと余韻を残しながらpartⅥ、終了です。


南は家族の温かさで真太郎への愛を再確認したようです・・・



さて。



明日からは・・・・・








の予告はのちほどアップさせていただきます。



重要なお知らせですよ。



ぜひ読んでくださいませ。



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