Sometime(20) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

離れたくなくっても


やっぱりあたしたちはまだコドモだ。



どうすることもできない。



このまま離れ離れになってしまう



ひなたは涙が止まらなかった。



「・・・そんな、なくなよ。」



浩斗は困ってしまった。



「・・だって、さあ・・・・」



ひなたは両手で涙をぬぐってようやく顔をあげた。


そのとき。



スッと浩斗の顔が近づいたかと思うと


ほんの一瞬だけくちびる同士が触れた。



え・・・・・



ひなたは驚いて目を見開いた。


その視線に耐えきれなかった浩斗は恥ずかしそうに眼をそらした。




キス・・・・・・?



なんだか信じられなかった。




「だから。 なくなよ、」


浩斗はまた手すりにもたれて消え入りそうな声でそう言った。



好きって


言えなかった



言いたいような


言いたくないような



好きなんて言ったら


あたしきっと耐えられない。





志藤は仕事を終えて白川家で夕飯をごちそうになった。


祭りの日はいつものことで


近所の人たちが集まって飲んで騒いでいるのも


義父が生きていたころとおんなじだった。



「ひなたは?」


食事の支度をしてきたゆうこに聞いた。


「友達とその辺で遊んでるんじゃないですか、いつもどおり。」


ほかの子供たちは近所の子たちとテレビを見たりゲームをしたりして遊んでいるけれど


ひなたの姿だけがないのが


なんだか寂しい。



浩斗と


会っているのかもしれない


なんて思うと


心配のような胸が苦しくなるような。



ふっと茶箪笥の上に置かれた義父の写真が目に入った。


娘のゆうこを目の中に入れても痛くないほど慈しみ


突然現れてさらって行ってしまった自分のことは


もうどれだけ腹立たしく思ったんだろうか。




今はその気持ち


わかりますよ。


お義父さん



心で義父に話しかけてふっと笑った。






「いってきまーす!」


いつものように元気に言って家を出る。




浩斗との別れは


何の変哲もない日常とともに訪れて



じゃあね



って



いつものように別れただけだった。



明日からも同じ毎日が始まるだろう。


いつか


浩斗のことを思い出すこともなくなっていくのかもしれない。



だけど



あの時のキスだけは


三社祭がやってくるたびに思い出すんだろうなって


今は思う。



そして浩斗との別れがやってきて。 それでもひなたはいつもと同じように元気に前を向いて歩いて行きます…


明日からのことについてはのちほどアップします~!(^^)!


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