手術室前で旦那様とお義母さんと
バイバイ・・・顔が緊張してるのがわかる。
部屋に入る前に個室にて
手術用帽子をかぶり
手術用サンダルに履き換えた。
そして手術室の大広間みたいな所で
本人確認・・・
さら「さらです。昭和56年・・・・」
助産師「はい、間違いないですね」
手続きをする間椅子に座って待つ。
その時先生(担当医・女医)登場。
サポートする先生(女医)も登場。
3・4人の助産師さん、看護婦さん登場。
さら「皆女で心強いですねぇ」
女医「でしょ~麻酔科の先生以外女」
なぁ~んて話しながらいざ手術室へ・・・。
さら「超緊張してきたぁ~」
助産師「大丈夫、大丈夫」
そして小さい狭いベッドがある部屋に到着。
本当に狭い・・・私落ちるかも・・・。
なぁ~んて思いながら全裸になる。
仰向けに寝てねと言う指示に従い
心電図やら血圧計やらたくさん
何かを付けられていく・・・。
麻酔科の先生登場。
麻医「さらさ~んよろしくねぇ」
麻医「今から麻酔始めていくねぇ」
麻医「じゃぁ~まずは消毒してくねぇ」
さら「はい」
そう言って横向きになり
背中全体を消毒していく・・・
何で消毒してるかはわからないけど
ひんやり冷たい・・・ちょっと怖い。
麻医「じゃぁ~麻酔の麻酔してくね」
麻医「これちょっと痛いけど頑張ってねぇ」
さら「えぇ~怖い・・・。」
助産師「大丈夫、深呼吸ね」
と言われ緊張Maxで麻酔の麻酔・・・
チクッ、チクッとする・・・
ん??これだけか??
どうやらこれで終了したらしい・・・
硬膜外麻酔をまずはしていく、
これは術後傷の痛みが軽減する麻酔で
背中に1ミリ程の管を通す、
でも麻酔の麻酔が効いてるのか
管を通しても全く何も感じなかった。
麻医「じゃぁ~次は下半身の麻酔してくね」
麻医「これ前に説明したけど、足が痺れたら
すぐ教えてね、後少しの間我慢して
動かないでいてね、海老の様に丸くね」
そう言われ助産師さんにひっついて
海老の様に丸くなる・・・
大きいお腹が潰れんばかりに・・・
この麻酔、痛くはない・・・
でも腰の骨と骨の間をクーッって
押されてる感じがする・・・
うぅ~ってなる・・・
麻医「もうすぐ足首辺りが暖かく
なってくるから教えてねぇ」
おぉ~徐々に暖かくなってきた。
さら「おぉ~今左足首辺りが暖かいです」
さら「あっ、次は左太ももが暖かいです」
と実況してた。
麻医「そうそう順調だよぉ~実況ありがとう」
麻医「これで麻酔段々効いてくるから」
さら「はい」
そして女医2人登場。
私の左と右に立つ。
さら「先生、麻酔効いてないのに
切ったりしないですよね??」
女医「ないないw大丈夫w」
そしてペットボトルを凍らせた
みたいな物で麻酔が効いてるか確認。
まず肩に、
麻医「これ冷たいよね??」
さら「はい」
そしてふくらはぎ辺り??
麻医「じゃぁ~これは??」
さら「う~んわかりません」
こんなんを何回も何回も続ける、
そして徐々に上に上に確認していく。
そして完璧に麻酔が効いた所で、
女医「それではさらさんの帝王切開術を
始めていきます。推定出血量
700~800mlです。
では、よろしくおねがいします。」
女医「じゃぁ~さらさん始めていくねぇ」
さら「はい、お願いします」
わかる・・・
触ってる・・・
右に左にクッ、クッって引っ張られる感じ。
って最初は思ってた。
数分後・・・
さら「苦しい・・・息が苦しいです・・・。」
麻酔が胸まできているからなのか
すっごく息が苦しくなってきた・・・
てか息が出来なくなってきてた・・・
てかこのまま死んでしまうんだって思った。
麻医「大丈夫、大きく深呼吸してみてぇ」
助産師「大丈夫だよぉ~大きくねぇ」
焦った・・・ものすごく焦った・・・
言われた通り大きく深呼吸をした。
数秒後段々よくなっていった。
この苦しい感じを何回か繰り返す。
その度に
さら「苦しい・・・息が・・・」
深呼吸、これ繰り返し。
この苦しい感じはもう勘弁・・・。
そして次は手の先が段々冷たく
なってきて・・・
さら「ちょっと手をグーパーグーパー
しててもいいですか??」
助産師「どうした??」
さら「指先が冷たくなってきたから」
助産師「おぉそっか、いいよぉ」
それでしばらく手をグーパーしてた。
怖かった・・・本当に怖かった。
そうしてたら先生が・・・
女医「さらさ~んもうすぐ出てくるよぉ」
女医「でも最後にちょっと頑張ってねぇ」
さら(えぇ??これ以上何を頑張るの??)
って何が何だか・・・パニック・・・。
その瞬間、サポート役の女医が
私の胃の辺りを下に下に!!
ってギュッ、ギュッ押す事、押す事!!
痛いとかじゃなくて、苦しいんだわ。
私思わず「うぅっ、ぐうっ」って声出たもん。
押す事3・4回??
女医「さらさ~ん、おめでとうございます
元気な女の子産まれましたよぉ」
そう言われ、私の耳に小さな産声が聞こえた。
感動・・・マジ感動・・・
泣けてきた・・・号泣しちゃった。
申し訳ないけど・・・
しゅう様の時は泣かなかった。
あや姫の時は少しだけ泣いた。
でも今回は何故だか号泣した。
多分手術の緊張が解けたからだと思う
そして無事産声を聞けたからだと思う。
声を出さない様に号泣してた
涙が流れてくるけど、右手には何か
付けられてて、左手も血圧計が
セットされてるから涙が拭けなかった
けど構わず泣いた・・・。
看護婦さんが手の所まで赤ちゃんを
綺麗にして連れてきてくれた。
看「さらさ~ん、赤ちゃんだよぉ」
助産師「触ってもいいんだよぉ」
さら「うん、うん」
泣いてるからはっきりは見えなかったけど
私そっくりな顔なのはわかった。
そこであかちゃんは一足先に
5階で待つパパ達の所へ・・・。
私はまだ後処理があるからと
睡眠導入剤を入れられ眠りに付く・・・。
何分経ったんだろう・・・
女医「さらさ~ん無事終わったよぉ」
助産師「さらさ~ん終わったよぉ」
さら「ん??」
まだ睡眠導入剤が抜けきらなくて
ボーッとしてた、これ持ってって
助産師さんに言われた麻酔の管・・・
手に感覚があまりなくて持てなかった。
意識朦朧のまま
私はパパ達の待つ病室へと
運ばれて行ったのであります。