家電リサイクル法が施行されて4年。大型家電は小売店やメーカーに有料で引き取ってもらう訳だが、それで物を大事にする風潮が強まったかと言うとそうでもない。粗大ゴミの日にはまだ使える家電が棄ててある。何故か。1つには家電の修理代が 高すぎるからである。出張費を取る上に修理してみないと料金がわからないというメーカーの見積もり能力のなさのせいで、ええい、面倒な、だったら修理せずに棄ててしまって新品を買おうという風潮が生まれる。

更にメーカーは次々と新製品を発売する。それもちょっとずつ新機能を付け足して 売り出して消費者の購買欲を煽るのだ。そうなればそちらを使いたくなるのは悲しい人間のサガである。全く人心をもてあそぶのもいい加減にしろ、と言いたくなる。私の新し物好きの友人などはコードレス電話の走りの頃、次々と使える距離を伸ば した機種が発売され、それをすべて買って、前のモデルは私にくれた。おかげで私は1つ前の型とは言え文明の利器を使う恩恵に浴したわけだが、こうしたメーカーの姑息なやり口には腹が立つ。続々と新製品は出る、修理代は高いではまだ使えるものでも捨て、結果としてゴミを増やしてしまう傾向にはメーカーにも責任がある。

 

 私は5年使ったファクスの受信のみ調子が悪くなり、修理に出そうとしたら出張費だけで5千円はかかると言われた。修理代を聞いたら、受付けの女性は修理の素人で、後から技術者が電話をかけて来た。まったくスパッと話が決まらない。忙しい人、金のある人なら新品を買うところである。電話をかけて来た技術者にことこまかに状況を説明し、さあ、どれぐらいかかるのかと迫っても「はあ、見ないことには」とこんにゃくのような返事である。なぜプロなのに大体の予想すらできないのかとしつこく食い下がると1万円は下らないだろうとようやくの事でゲロした。そんな予算はないから、インターネットの掲示板で助言を求めたら、内部の芯棒を機械油で拭けば直るというレスがあった。修理に来た技術者がその芯棒にちょこちょこっと油を塗って8千円も徴収していったと、その人は怒っていた。機械油などないからオリーブ油で代用したらすぐに使えるようになった。修理代がかからずほっとすると同時にそういう対処法も把握していただろうに、金にならない事は教えてくれないメーカーに腹が立った。

 

掃除機の修理費が高いので、自分で分解してほこりを取ったら動くようになった知り合いがいる。修理に出す前にほこり取りと油差し、原始的ながら、これがメーカーを儲けさせない鉄則かも。