庶民にはほど遠い金額なのに最近ではマヒしてしまって1億ぐらいでは驚かなくなってしまった。多すぎて納得が行かなかったのが、米政府がフセインの情報提供者への賞金として提示した24億円。彼が発見され、情報提供者はその金を受け取って国外に出たとか、親族だったので支払われなかったとか、はっきりした事がわからなかった。一体24億円は彼の手に渡ったのだろうか?

相次ぐ「職務特許」裁判の判決も仰天金額続きだった。一昨年の1月末に日立製作所を訴えていた元研究員に1億6千万円の支払い判決が出た翌日には日亜化学工業の青色レーザーの開発者社員へ200億円、2月には味の素の元社員に1億8900万円の支払い命令が出された。結局はぐっと低い額で和解が成立したが、知的所有権の対価についての新しい制度が必要との声を受けて政府は特許法の改正案を国会に提出済み。

訴訟なんてしなくても1億2億は当たり前―、なのがメジャーリーグの選手達。MLBの開幕戦で一昨年3月に来日した世界一伝統のある球団ヤンキースは年俸総額も世界1の210億円、対戦したデビルレイズの9倍だそうだ。松井が7憶4千万で、まあ10年契227億円だか267億円だかの史上最高額でヤンキースに移籍したA-RODことアレックス・ロドリゲスが1人で額を押し上げているのは確か。契約時に金額を聞いた時の彼の第一声は「ワーオ」。それはこっちのセリフだって!

『唇からナイフ』という有り得ないタイトルの映画があったが、埼玉県草加市ではなんと、『ゴミから現金』。先日確定申告に行って改めて自分の収入の低さにがっくりした私としてはその額にドッキリ。資源ごみの古紙から2004年2月23日に2800万円が見つかったというが、埼玉というところ、99年と2003年12月にもそれぞれ1800万円、3380万円という大金が見つかり、2003年だけで6億円もの届け出があったが、全国を見渡すとそれでも6位。東京がトップで20億。全国では129億もの現金がゴミから見つかっている。30%は落とし主が現れないそうで、こちらもワーオ。

ゴミと言えば資源ごみの日に捨てられていたので手に取って読んでみた『バカの壁』、売り上げは300万部を超えているそうで、1冊714円、印税が10%として、養老さんが手にした印税はおよそ2億。粗末な装丁の本なのに売れも売れたり。しかし、驚くのはまだ早い。『ハリー・ポッター』のJK・ローリングの538億円には遠く及ばないのだ。米経済誌フォーブスによる世界長者番付の定連となったマイクロソフトのビル・ゲイツ会長は今年で11年連続で首位になっている。保有資産は465億ドル(約4兆8000億円)だそうで、もう天文学的数字。独占禁止法違反でEUに支払った650億円の制裁金も、あちこちのベンチャー企業との和解金も蚊に刺された程度の痛みだろう。

日本人の生涯賃金がこちらでチェックできる。私も2億以上稼ぐ計算だが、こういうのを机上の空論と言うのだろう。

 

(生涯年金チェックサイトのURLは捜索中)