1999年にパソコンを買った時にはインターネット接続はダイヤルアップが主流で、プロバイダーも3分いくら、とか時間による従量制のところが多かった。電話代はもちろん従量制。ちょっとだけのつもりが気が付けば2時間や3時間はすぐだった。その結果月の利用料が電話代とプロバイダー料金を合わせて1万円以上になって慌てた私は「テレホーダイ」だったと思うが、夜の11時以降から朝方まで電話代が定額制というサービスを利用し始めた。

 チャットなどをするネットのヘビーユーザーには朗報で、11時になるとそれっとばかりにインターネットを始める者が多かった。私もそのクチで、おかげですっかり夜型になり、不健康極まりなかった。(ああ、昼から思いっきりネットを楽しみたい)とため息をついたものだがそれが実現して今や常時接続が当たり前。いい時代が到来したものだ。

 ところで、定額制は医療費にも導入されそうだ。厚生労働省は入院医療を対象に、検査や投薬数、日数にかかわらず医療費を定額とする新制度を検討し始めている。2008年4月の診療報酬改定時の導入を目指しているという。現行では診療行為が多くなればそれだけ医療機関が受け取る報酬が増えるため、必要性の低い検査をするなど過剰診療になりやすい面がある。

 私の経験では、たとえば眼科にかかると治療に必要ないと思われる視力検査を否応なしに受けさせられた。それだって料金のうちだからある時、「必要ありません」と断わった。また、古釘の上に尻餅をついた時には破傷風が心配だったので大事を取って医者にかかったが、抗生物質を2週間分も出すので、高いしなるべくなら段々効かなくなるので不必要に飲みたくないしというので3日分でいいです、と断わった。「医者の判断と自分の判断とどちらが正しいと思っているんだ」と言われるかもしれないが、必要以上に薬を出す医者がよく報道される今、破傷風にかかるリスクと体への負担を天秤にかけ、3日でたくさんだろうと思っての事。自己責任である。破傷風にはかからず今でもぴんぴんしている。こんな攻防は入院時にはなくなっているという事だが、患者側はより多くの時間、より多くの医療費をかけてもらいたいだろうし病院側としてはなるべく時間と医療費をかけずに治療をしたいと考えるようになるような気がする。定額制のメリットは患者と医療側というより、国側にあるように思える。