企業の不祥事は今に始まった事ではない。事故後の対応が問題になって倒産に追いやられた大企業もあるというのに、何も学ばず、変えず、今度は不二家の番である。元パート従業員の告白によると、埼玉工場内ではゴキブリもいればネズミも出現したそうだ。呆れるほかない。客の満足や健康などどうだっていい、儲かればいいのだと言わんばかりの不二家の体質に、(またか!)と苦々しく思った読者も多い事だろう。

たまたまヒストリーチャンネルで「ザ・グーグル・ボーイズ」という番組を見た。ご存知、検索エンジンナンバーワンのGoogleを立ち上げた2人の若きアメリカ人の成功物語である。会社の様子を見ると明るく、クリエイティブな雰囲気に満ち満ちている。社長の2人は従業員が幸せでいる事を願い、健康的な食事を出すカフェテリアは無料、社内にプールテーブルまである。こうした場所で自由に仕事の話ができるという。何とも羨ましい。

私が企業に幻滅したのは不二家が初めてではない。終わりでもないだろう。派遣社員とした働いたある大手通信会社は顧客に混乱をもたらすような新サービスを提案し、そのサービスを受ける事によって損をする客もいた。契約時に付く景品は粗悪品で、顧客からクレームもあったほどである。極めつけは、従業員の当然の権利として発生している有給休暇を申請してもいい顔をせず、「1か月に1日しかダメ」と、労基法違反などお構いなし。雇用契約期間がもうすぐ切れるというのにどうしても取らせてくれなかった。この企業には今でも不信感を持っているし、キライである。

顧客や従業員の幸せを考えてくれる企業などお目にかかった事がない。派遣社員はなるべく安くこき使い、邪険に扱い、労働環境などに目を向けない。そしてちょっとした事ですぐにクビにする、そんな企業が多かった。

Googleの創業者は今や1人で資産総額40億ドルというが、相変わらずホンダに乗り、アパート暮らしだという。彼らが目指しているのはより良い世の中。お金儲けは二の次であくどく儲ける事はしない主義だという。そんな大会社が日本にあるなら是非TVで取上げて欲しいものだ。