やらせは「あるある大事典2」が最初でも最後でもないだろう

 TV局のやらせは今に始まった事ではない。パッと思い付くだけでも日本テレビの「進め!電波少年」で猿岩石がユーラシア大陸横断ヒッチハイク旅行の途中に飛行機を利用していた件、朝日新聞の記者が沖縄県のサンゴに自分で文字を書いて水中撮影し、記事をでっち上げた件などがある。

 ウィキペディアの「やらせ」の項を見れば、さらにたくさんのやらせが載っている。NHKから日本テレビ系列、、TBS系列、テレビ朝日系列、テレビ東京系列と主要キー局のやらせがあるわあるわ。「発掘!あるある大事典2」を放映したフジテレビでも「めざましテレビ」「トリビアの泉」他のやらせが挙げられている。記述にある、テレビ東京系列の「教えて!ウルトラ実験隊」の「花粉症の治療法を紹介するコーナーで患者をでっち上げ」という件は「あるある…」と同じ日本テレワークが制作していると1月22日の「SANKEI EXPRESS」にある。

 やらせはTVや新聞だけではない。昨年12月には内閣府のタウンミーティングで事前に発言内容を示して質問させる「やらせ質問」もあった。こうなると「やらせ列島日本」の感までしてくる。

 私は数年前にある硬派の番組に不信感を持った事がある。番組内でコメントが使われたアメリカの大学の教授に質問しようとしてインターネットで大学名を検索した。すぐに出て来たので教授名を書いて人事部宛てにメールを出した。教授のメールアドレスはすぐに教えてもらえる場合が多い。が、その時の返事は意外だった。「そのような名前の教授はいません」という内容だったのだ。平易な名前で、スペル間違いなどではない。(おや?どうしてだろう)と不審に思ったが、まさか架空の人物をでっち上げるなどという事があるはずはない、権威のある番組なのだ。何かの行き違いだろうと結局そのままになってしまった。この番組はまだ続いている。「あるある…」にもアメリカの教授が登場しているが、引用された証言をことごとく否定したと報道されている。

 上述の局が製作するドキュメンタリー番組に知人が出演した際にはやらせとまでは行かないが、「演出」を指示/示唆されたという。知人はその「演出」を断わっている。こうした事はもしかしたら日常的に行われているのかもしれない。