イトーヨーカ堂の二重価格表示、ダイエーが販売実績のない価格を修正して洋服を販売(あたかも大安売りのように見せかけて販売)して公取委に警告された 事がある。私もフリーマーケットに出る時には、5000円したTシャツを中古で100円という激安で売っているのに値切るフリマ亡者がいるので、最初は高 めに設定するというテクニックを弄する事がある。ある意味二重価格だが、公取委には罰せられない。こちらとしては、えげつなく値切り倒す客を罰して欲しい ぐらいだ。大手企業の場合は値切られるから二重価格を使うのではなく、儲けたいからこういう操作をする。我田引水、50歩100歩かもしれないが、この差 は大きい。

  当選ビジネスとでもいうのか、当ったと偽って消費者のお得感をくすぐる企業も許しがたい。実際には「当った」といえる内容ではないのだ。ダイビングの無料 体験に「当たった」時にはダイビング代そのものは無料でも諸費用が5、6万かかると言われてノーサンキュー。阪急旅行社の10万円ほどのハワイ優待旅行に 「当選」した時も、旅行が終わって見れば食事のひどさと部屋の狭さは当選と言える内容ではなかった。旅行社を営む友人も「それが相場の値段」と言ってい た。

 ある呉服店が抽選も行なわないのに当選と偽って全国の女性に通知をして50億円を得たという事件もあったしJTBと近畿日本ツーリ ストが海外旅行の応募者全員に当選と通知して公取委に警告された事もあった。いまや オネスト・ビジネス(正直なビジネス)など死語ではないか。

  某ホテルのディナーショーにファックスで応募したら翌日すぐに電話があって「当選」したが、早すぎる対応に「もしかして料金は払うんですか」と聞いたら案 の定かかるという返答。それじゃ当選とは言えない。喜んだ分後味が悪かった。人をバカにするにもほどがある。得な話など一つもないと疑ってかかる習性がつ いてしまって最近は腹も立たない。

 「自費出版の甘く暗い罠」にも書いた新風舎というところも、応募して落選した時には「埋もれるには惜 しい作品」「投稿雑誌に載せたい」と言われたが、掲載に際して原稿料はなく、印税を支払えと言う。3000部発行のその雑誌1部につき3円とかの微々たる もので、その上掲載希望者は5万円を支払わなければならない。これでは掲載希望者の金で雑誌を出している同人誌のようなものではないか。それを「印税」を 支払うなどとトリックを持ち出すところがいやらしい。消費者は賢くならなければいけない。企業を信じてはいけない時代なのだから。