終の棲家
介護という仕事を目指す方を、僕は眩しい思いで見つめている。
生活のため、他にできる仕事も見つからず、仕方なく低賃金のこの職場で働かざるをえないという方がいらっしゃる現実は、少しは知っているつもり。
医者や看護師、あるいは薬剤師など医療関係者と深く関わるなかで、現場サイドでの”ジレンマ”も、知り合いを通じて理解しているつもりでいる。
介護福祉士という国家資格は数年後には、その試験内容が大きく変わると聞く。
今後求められる介護者としての指針をはっきりと感じる。
混沌とする中東情勢や、逼塞する今の日本などという、大上段に構えたことを言うつもりはなく、でも今の社会に普遍的に求められる”何か”があると感じる。
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ホテル業を幅広く営んでいらっしゃる方が、先日亡くなられました。
グループホームに入居されていましたが、その同じ施設には、総合病院長だった方が入所されています。
認知症という症状で。
たまたま、このお二人と同時にお話させていただく機会があり、その中で僕は多いに感じ入ったことがありました。
独自色でビジネスを成功させた人でなければ、言えない言葉に指針を頂いた思いでした。
日常生活を介助する、身体介助者は昔からいらっしゃいます。
でも、知的介助をして下さる方がたくさん欲しいと思いました。
たとえ、すぐに忘れてしまう方が対象だとしても。
経営とかノウハウで名を成す人の傘下に取り込まれないシステム。
そんな介護の世界に、光明を見出す人材が現れることを願います。
繰り返し言います。
介護という仕事を目指す方を、僕は眩しい思いで見つめています。