前回記事の続きです。

入居してから2-3年、2009~2010年くらいの出来事だったと思います。

 

恐らく知らずにご迷惑をかけていたであろうお隣さんが部屋を移動し、「自分の起こした音が他の部屋にも聞こえていた」という事実(?)から、それ以降で私の感覚は少し変わってしまいました。

 

その前からそうだったのか、この時から始まったのかわかりませんが、下の部屋の隣人同士がドアをバーンと締めたり、お互いにわざとらしく物音を立てたりして、喧嘩をしている?事に気づいたんです。

それまでは周りの音なんて気にしたことがなかったのです。しかし、気づくようになってしまいました。

はじめての明確な「隣人トラブル」

そのような状況の中、空いた隣室に割とすぐ、20代ちょいくらい?の若いカップルが引っ越してきました。

前回も書きましたがこのときの物件は鉄筋コンクリートのそこそこしっかりしたマンションで、普通にしていれば音はまず聞こえなかった…と思います。

 

新しいお隣さんも普段は全く音はしないのですが、夜0~1時くらい?に私の狭い部屋のクローゼットの中から、そこそこはっきりとした「ガンッ」という音が、毎晩のように一回だけ、聞こえてくるようになりました。

私は音が気になるようになったばかりということもあり、こういう時管理会社に言ってもらうなどの発想がなく、言うかどうか悩んだ挙げ句、ある日音がなったタイミングで、直接お隣さんのインターフォンを鳴らすことにしました。夜の1時位です。

「夜分遅くすみません」から始まり、どう繋いだら良いかわからず、引っ越してきた人相手に「ご挨拶もせずにすみません」などと意味不明なことを言っていた気がします。私は基本ヘタレ的な低姿勢です。

そして、「すみません、いつもこのくらいの時間に、壁からガンッという結構大きい音が聞こえるんですが…」と伝えました。

 

今思えば「いや昼間いけよ」とか「引っ越してきた人相手にご挨拶もせずにすみませんって嫌味かよ」などの自己ツッコミが浮かびますが。。

当時はとにかく「言わなくちゃ!」という気持ちと、初めてそういうことをするという緊張があったのです…。加えて、会社を辞めて(前回参照)長いこと引きこもっていた緊張もあったかもしれません。

 

お隣さんがなんと答えたのか覚えていないのですが、キレられたとか威嚇されたような記憶はないので、冷静に対応してくれたのだと思います。

しかし、ドアを閉めて部屋に戻った時に、壁をドンっと一度叩かれたことは覚えています。

 

翌日は休日で、昼間から隣でガタンガタンと大きな音がして、それ以降その音はしなくなりました。想像ですが、クローゼットの壁に何かをぴったり付けて、それを夜中に開け締めしていたのかな?と思います。移動してくれたということは、わざとでは無かったのでしょう。

しかしその後、忘れもしない毎晩夜2時に、壁を何か硬いもので叩いたような「バンッ」という音を数回(大体2~3回)鳴らされるようになりました。

 

社会に出て以降、他人から明確な敵意を向けられた(と認識した)のはこれが初めてで、本当に驚き、戸惑いました。音が鳴った翌休日の昼間にチャイムを鳴らしましたが、これ以降お隣さんが出てきてくれることはありませんでした。

 

実はその時、私は会社を辞めて(潰れて)から一年が経とうとしていたこともあり、前の会社で元々取引のあった社長に声をかけていただき、そこへの就職を決めていました。

家を出るのは朝8時過ぎで、深夜2時に目を覚まさせられるというのは初めて経験する「睡眠への嫌がらせ」でした。

 

耳栓を初めて買ったのもこの頃でした。最初は耳の中が腫れてしまい、デスマーチとは違った意味で、心身ともに厳しい状態になっていたと思います。

話をしてくれない相手にどうしたら良いかもわからず、経験の無いストレスと緊張からか、めまいや吐き気、心臓の動悸などの体調不良を自覚し始め、「息を溜めてゆっくり深呼吸をする」だとか、「お腹に手を当てて、温度が上がっているいることをイメージする(だったかな…)」など、明らかに何かおかしい体を、正常な状態に戻す方法をネットで調べたりしていました。

 

そうして悩んでいたのですが、ある日ついに、遅まきながら「管理会社に相談する」という方法を取ります。管理会社の大手不動産会社は即お隣さんに連絡を取ってくれました。

しかし「うるさくしていない」という返答が返ってきたそうで、「本当にお隣の音ですか?」という逆質問をされ、騒音トラブルにありがちな「相手が知らないという限り証明しようがない」状態に陥ってしまいます。

また、営業担当の男性が家にも来てくれました。

当時は確かスマホに変える直前のガラケー時代で、録音も音質が悪く、録った音を管理会社の人に聞かせてもいまいちピンときていないようでした。深夜に耳で聞くと物凄く大きな音なんですけどね…。録音に関しては、今はだいぶマシになったと思います。

 

「直接言ってもダメ」「管理会社に言ってもダメ」となると、残りは警察になります。

当時私には「やり返す」という発想はなく、私はただずっと、毎晩ほぼ同じ時間に壁を叩かれる嫌がらせを受け続けていました。(ついでに男の彼女?の方にも掃除機をわざとガンガン壁に当てたりなど、細かい嫌がらせをされていました)

これをまずは最寄りの交番に相談に行きました。

 

最初に行った時は20代前半であろう若い警官が真摯に話を聞いてくれ、家にも様子を見に来てくれました。

しかし隣の部屋です。誰か来ればすぐに分かり、やはりというか、警官が来た時に音が鳴ることはありませんでした。

直接言いに行きましょうか?とも言ってくれたのですが、管理会社を通して「うるさくしていない」と主張されたことが私の中で手詰まり感として残っており、「いいです」みたいな返答をしたことを覚えています。

 

交番へは2~3回相談をしに行ったのですが、最初の警官がいない時に対応してくれた30代位の警官は対応が全く違っており、「騒音?そんなの交番じゃ対応できないよ」「残念だけどねー頑張ってね」みたいな、明らかに「あしらう」対応をされ、心底絶望しました。

家で眠れないというのは初めての経験で、耳栓も体に合わず、本当にどうしたらいいかわからなかったんです。

そして悩んだ挙げ句、最初の警官がある時言っていた「警察署の生活安全課」に相談することにしました。

 

生活安全課の刑事さんはきちんと話を聞いてくれ、「こちらは何もしていない」「継続的に嫌がらせをされている」ことを確認し、管理会社に連絡をとってくれたようでした。

 

しかし不思議なことに、管理会社からかかってきた電話では「警察に連絡しました?」という、私よりも相手のカップル側に立ったような、迷惑げなニュアンスで会話が始まりました。

「騒音で困っている」というのは私が騒ぎ立てているだけで、相手が言っている「うるさくしていない」が本当である、という前提で話しているように感じました。

この担当の方とは、その後も「お隣はうるさくしていないと言っているんですから~…」のような、私を説得するような会話に終始されていました。

 

物音なら、もしかしたら私が神経質すぎるという事もあったかもしれません。

しかし一番最初の物音とは違います。明らかに違う音、壁を叩かれている状況なんです。下の階の音でもありません。ダイレクトなでかい音です。到底納得できませんでした。

警官に話してもダメ、刑事さんに話しても連絡先の管理会社がこれ、相手は音を出していることを認めず、毎晩同じ時間に作業のように壁を殴る。

このあたりで私はもう本当に嫌になって、壁を蹴り返し始めました。

この瞬間に、私も同じ土俵に立ってしまったんです。

 

だいぶ長くなってしまったので端折りますが、私がやり返したことで「何かあったらいつでも連絡を」と言っていた生活安全課の刑事さんにも連絡する気が無くなり、管理会社の担当女性にも、ますます私が一人で騒いでいるかのような接し方をされていました。

私はついに疲れ果てて、引っ越しを決めました。1年くらいはゴタゴタが続いていたと思います。

 

管理会社との会話で今だに忘れられない話。

「もう疲れたので引っ越しを考えています。こういう隣人トラブルがあって解決しない場合、引っ越しの費用負担をして貰える場合があるとネットで見ました。そういうことは出来ますか?」

と聞いたんです。

担当さんは向こうで相談した後、「弊社の物件に引っ越すのであれば、礼金はいただきません(だったはず。。)」という話をされました。

しかし、その後同じ管理会社の物件に引っ越すことを決め、契約直前に連絡をすると「こちらでのお金の負担は一切できかねます」と、同じ人に堂々と口約束を破られました。

今思い出しながら書いていますが、改めてこの頃起こった何もかもが理不尽すぎる気がします。

 

この時すでに「変なこと」が始まっていたのか、私の立ち回りが下手過ぎてこうなってしまったのか、今となってはわかりません。

今こうして経緯を書いてみると、前の住人の方が1Fに移動した時に管理会社にも相談をしているはずで、それで「○○号室の住人は変」という前提が出来ていたのかもしれません。(一番最初に管理会社が仲介に入って、お隣の悩みを教えてくれれば…とも思ってしまいますが)

しかしとにかく、この後引っ越した物件から、「共通した変なこと」が起こり始めます。

 

私は10年近くそれに気づかず、変なことは(今思えば)手を変え品を変え続きました。

そして、「全く別の場所でこれが続くのはいくらなんでもおかしいのでは?」と思い始めたのはつい最近になります。