はじめまして、Prayers の渡部です
今日から密の味の稽古日誌をはじめます、どうぞよろしくニコニコ

密の味

シーラ・ディレーニーというイギリスの作家が書いた戯曲です。まあ、細かいことはネットで色々調べていただくとして、本当に良く書けている本だと感心します。

戯曲というのは、文学作品ではありませんから、そのままただ読んだだけでは決して面白くない。

僕も20年前、稽古でワーニャ伯父さんを読んだ時に、面白くないばかりか、全く意味が分からなかったのを思い出します。

「これが有名なチェーホフ?!何がどう面白いんだ?」

と、目が点・・・でした。

世の中の若い俳優のみなさんの殆ども、戯曲を読むとき同じような感想をお持ちになるのではないでしょうか?

今でも初めて戯曲を読むときに眠くなる事よく有りますものね、僕なんか。

しかし、台詞の合間合間、行間に隠れている「状況」を掘り出していくと、これが本当に面白い。

遺跡発掘の面白さってこういう感じなのかな?なんて思います。
もしもそうだとしたら、遺跡の発掘はかなりエキサイティングな、楽しい作業だということになります。
戯曲も読み始めて、読めるようになり始めると、つまり台詞の背後にあるいろんな過去や思い、人間関係などが姿を表し始めると、こりゃーもータマラン!!
興奮します。

まあ、ここまでに結構な読み込みを要するのですが。

と・こ・ろ・が、

ここからが俳優の仕事の始まり、やっとスタート地点。

ここからが大変。

戯曲の中に与えられている詳細、状況に、どっぷり自分を浸しながら、役の、真実の、リアルな、本当の行動を見つけていく。

という作業が待っている訳ですが、これが、これが、

なかなか、なかなか、

なかなかに苦しい作業なのです。

という訳で、今まさに俳優陣はこの作業の真っ最中。

産みの苦しみですな。


真実に満ちた瞬間が沢山盛り込まれた、良い舞台にする為に、ここをじっくりと誠実にやり込んで行くことが、大切かな、と思います。

2012年の4月25日から29日まで、渋谷のギャラリー・ル・デコ

どうぞご期待下さいグッド!