浅田次郎の短編集です。
世間で成功を収めた人しか集うことのできない会合での、秘密のお話が4話。
表題の『草原からの使者』が一番面白かったです。
「草原からの使者」ってなんの事だろうと思っていたら、草原とはモンゴルの事でした。
モンゴルといえば・・・馬です。
馬といえば、浅田は大の競馬好きだということを思い出しました。
折りしも、先日の朝日新聞の夕刊でサラブレッド特集の記事で浅田の競馬好きが取り上げられるほど。
その浅田の、競馬小説です。
私は馬の事は全然知らないのですが、血統が物を言う競走馬の世界、世間に一万頭いるサラブレッドの祖先をさかのぼれば、わずか3頭の馬に集約されるというくだりに興味を持ちました。
競馬好きでなくとも楽しめる、少しほろ苦い話でした。