皆様、大変ご無沙汰していてすみません。
ここだけの話、GWや正月やお盆って疲れませんか?(^_^;)
主婦にとっては、GWは決して「休暇」なんかじゃないと、毎度深く実感する次第。
明けるといつも、心から「ほっ」としてしまいます。
ところで、しばらくぶりに読書に時間を割く日々が続きました。
読んでた本はこれ。
昭和47年初版の物で、当時かなりのベストセラーになったそうだし、今でも人気のある小説です。
私も、図書館で順番を待って借りたような次第。
正直、そんな有名なものを今頃手に取ったというのは大変恥ずかしいですが恥を忍んでアップします(-_-;)
でも、読んでみて思ったのですが、
これ、若い頃に読んでも、絶対主人公に感情移入出来なかったし、話の筋にも興味を抱く事は出来なかったでしょう。
やはり今、読むべくして読んだのだなあという気がします。
小説の中に、「昭和80年になると世の中は老人だらけでエライことになる」というニュアンスの事が書いてあるのですが、昭和80年って・・・、
2005年・・・去年です。
有吉氏がこの小説を世に問うてからもう30余年が経つ訳ですが、老人介護事情はまったく進んでいないという印象を受けます。
ある日を境に老人性痴呆症(今は認知症というのですね)になった舅(84)と同居する事になった主婦の苦労を主に描いた話なのですが、
話の内容が現代に置き直しても全く古臭さを感じないところに、愕然とする思いです。
それにしても、このお爺ちゃん、夜中にいきなり起きてお嫁さんに馬乗りになったり、小便の手伝いをしてもらったり、「暴漢が家に入ってきた」と大騒ぎしたり、徘徊を繰り返して警察沙汰になったりと、他人のことながら、しかもフィクションなのに、一緒に気が滅入って来てしまいます。
その一方で、「次はお爺ちゃん、何やらかすのだろうか」と思うと気になって、なかなか本を途中でやめる事が出来ず、一気に読んでしまいました。
小説の中に出てきたお医者さんの言葉が印象に残っています。
「戻る」という言葉。
そう、人間は歳をとるとまた最後には赤ちゃんに「戻」っていく のですね。
そう思えば、介護する側の人間も心穏やかになれるのでしょうか。
私もいつか、主人公と同じ境遇を迎えるのかも知れませんが、その前にこの本に出合えて良かったです。