・・ココロのビタミン・・
今日は、「子どもの日」ですねこいのぼり
お天気にも恵まれ、とっても気持ちの良い日。
ステキな休日になりますように

今日は、こどもの日なので、子どもにまつわるお話です。

小学校でスクールカウンセラーをしているときに、
先生方から、よく相談を受けるのが、「授業中じっとしていられず、
集中力がない児童について」の相談を受けることがあります。

実際、クラスに行って授業を見学してみると、
片時もじっとしていられない様子で、
座っていても手足をモゾモゾさせていたり、身体をクネクネさせていたりします(多動)。
列に並んで待つことが苦手であったり、
他の子の質問が終わらないうちに話を始めてしまっていたり、
授業中、椅子から離れて立ち歩いたり、集中力がないために、
すぐに勉強に飽きてしまったり、ときには、教室を飛び出してしまう・・というような
ことがありました。このような特徴を持つ子どもは、
以前は、わがままな子、しつけがなっていない、などのイメージで
語られることが多かったのですが、最近では、体質的な原因から、
このような特徴を持つ子どもがいることがわかってきたため、
適切なサポートを受けることが可能になってきています。


このような特徴を持つ子どもの大半は、実は、脳の発達的な機能障害によって生じる
ADHD(注意欠陥多動性障害)とよばれています。
健康な人の前頭前野は、行動を注意深く選定し、大脳基底核は
衝動性をおさえる働きを持っていますが、ADHDのケースの場合は、
それがうまく作動しないため、活発な行動が出来ません。

そのほか、「てんかん」と診断されている子どもの一部や、
頭部外傷や脳炎などによる脳損傷の結果生じた
高次脳機能障害を持つ子どもでも、他動性や衝動性を伴うことがあります。

多動や衝動性があり、情緒的に不安定な場合で、
脳に原因がない場合は、虐待の被害者である可能性もあります。
虐待をはじめとし、幼児期以来、安定した養育環境に
いられなかった子どもは、安全の感覚に乏しいために、
落ち着きがなく、衝動のコントロールがうまくできないことが多いのです。


食事とADHDの関係
食品添加物、砂糖の多いソフトドリンクの摂取量と
ADHDとの相関関係が観察されています。
英国政府は、2007年に、食品添加物の合成保存料の安息香酸ナトリウムと
数種類の合成着色料(タール色素など)が子どもに
ADHDを引き起こすという研究を受け、これらを含むドリンクや
お菓子、食品のメーカーに注意を促したそうです。

・・ココロのビタミン・・
対応方法

どんなに注意したり、しかってもADHDの子どもは、
注意散漫や学習障害といった症状を持っていることが多いために、
大人の注意や説明が理解できなかったり、すぐに忘れてしまうと
いうことが生じてしまいます。

大人にとっては、子どもが同じ失敗を平気で繰り返すように感じられ、
ついついしかってばかりいることになりがちです。
また、しかり方もエスカレートしてしまいがちです。

しかし、しだいに、ADHDの子どもは、「僕(私)は、何をやってもしかられるだけ」と、
思うようになり自尊心が傷つけられてしまうことも。

そこで、ADHDの子どもに対応するときには、
まず、褒めてあげられるポイントをできるだけ多く見出しておきます。
(興味のあることには集中ができるので、そういう部分を伸ばしてあげるのも◎)

取り組む行動の目標はできるだけ達成可能な細かな
目標を設定し、わかりやすく説明します。
忘れないようにうまく表示しておき、比較的短い時間で評価してあげる、
というような工夫が必要です。目標には、わかりやすいご褒美を
設定してあげるのもよいでしょう。

挫折感や劣等感が強まってしまうと、自責感が生じ、
二次的に抑うつや不安が強まり、不登校状態やひきこもりになってしまうことも
ありますので、きちんとしたサポートをする必要があります。

エジソンやアインシュタイン、レオナルド・ダ・ヴィンチらも
ADHDだったと言われています。協調性を要求される職場では
苦労してしまいますが、マイペースで仕事ができる環境では、
並外れた業績を残す場合もありますから、ADHDの正しい理解、
サポートがひろまるとよいな、と思っています。