・・ココロのビタミン・・

精神分析医、シグマンド・フロイト(1856年-1939年)が晩年を過ごしたのが
このロンドンの家です。ここに1938年から39年まで住んでいました。
(フロイトの家がある、ハムステッド丘陵は閑静 な住宅地として
ロンドンでも人気がある場所なのだそうです)


強制収容所を稼動させる第2次世界大戦の少し前からヒトラーは
気に入らない著書の焚書をまず、ドイツで始めます。
フロイトの著書も健全な精神の妨げになる毒書として
ベルリンで1933年に公衆の見守る中焼かれたそうです。泣き3

当時、彼は家族とともにオーストリアに住んでいたのですが、
とうとう38年にはオーストリアはドイツに吸収されてしまいます。

公開焚書の後、仲間のユダヤ人精神科医たちは亡命していきます。
しかし、フロイトはこのオーストリア吸収まで踏みこたえたのです。
(その頃、既に80代。上顎癌だったそうです)


フロイトは、ナチスからの迫害を逃れ、47年間住み慣れた家を後にし、
家財道具をほとんど運び、1938年にこの家に引っ越し、晩年を過ごしたのです。
この家でも、精神分析をしていたそうですが、そのお部屋が、とても
落ち着く空間でした。本当に、セラピーには、理想的な空間です。

ウィーンで開業していた当時の内装にとても良く似ていました。
クローバーウィーンの家に訪れたときの 記録はコチラ→☆☆☆

この家はフロイトがイギリスに来て約3ヵ月後に購入したもので、
亡くなる直前までフロイトは執筆にいそしんだり
友人を迎えたりしてこの家で最後の1年を過ごしました。

フロイトが亡くなった後も家族はここに住み続けました。
特に娘のアンナさんは児童心理学の分野でも有名です。
この博物館は彼女の亡くなった1982年に
彼女の遺志で博物館になることが決められました。公開は1986年からです。

チューリップ黄玄関をノックして入ると、 ポーチがあり、中心に階段がありました。
階段を少し昇ると、踊り場があって、
机と椅子、本が置かれ、太陽の日差しが心地よい空間でした黄色い花

1Fには、4つの部屋がありました。
ひとつひとつの部屋が広々としていて、明るい光が入り込むお部屋です。
重厚な調度品と考古学が好きだったフロイトが集めた収集品が
置かれていました。収集品は、本物と偽物が混在しているそうです。
どこか、非日常的な空間でありながらも、本当に、そこにいるだけで、
心からリラックスできる空間。ここにいると、自由連想をしても、どんどん、引き出されていきそうです。
 

まずは1Fにある、フロイトの書斎&セッションをしていたお部屋です。
この日は、カーテンが閉められていて、重厚感が出ていましたが、
カーテンを開けると、お庭が見えて、とても美しいです。

 
写真右手前にある長椅子にクライエントが横たわり、
その横にある一人がけの椅子にフロイトが
腰掛け、クライエントの話に耳を傾けていたそうです。
精神分析のセッションの間、フロイトは、一切、メモを取らず、
セッションが終わった後に、記録をつけていたのだとか。
 

フロイトの書斎の机と椅子。
椅子は、フロイトが特別に彼の体にあった形で作ってもらった特注品。
ペルシャ絨毯とも、とてもよく調和しています。

机の上と本棚と本棚 との間に置かれているガラスの
陳列棚には古代ギリシアの遺物,古代エジプトの護符,象牙の
ブッダの胸像等が所狭しと置かれていました。

 
 
部屋中の壁面には、書庫があり、計4箇所に設置されていました。
 
専門書のほかに、ゲーテの全集、シェイクスピア全集がありました。
壁にはエディプス・コンプレックスを連想させるエディプスとスヒィンクスの複製画
それにフロイトが分析を試みたW・イ エンゼンの幻想小説
『グラディーヴァ』に登場するグラディーヴァその人のレリーフが掛っていました。
ダ・ビンチの「洗礼者ヨ ハネと聖アンナのいる聖母子」の複製画も掛っておりました。

家の中には、ダリが書いた、フロイトの肖像画がありました。
ダリも、この家に、遊びに来ていたそうです(*^▽^*)

二階には、ミュージアムの発起人であるアンナさんの部屋もありました。
入り口を入って右手には、賞状や、ライセンス、トレーニングの修了証が所狭しと、
飾られていました。フロイトの遺志を継いだアンナさんだけあって、
精神分析系の修了証が多かったです。
 
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ミュージアムショップを一歩出ると、そこは、中庭です。
ここで、紅茶やコーヒを頂くこともできるのです。

天気のいい日は、フロイトもこのお庭でくつろいでいたのだそう。
たくさんの種類のお花が植えられていました。こんな庭園があるなんて、理想的ですね。
ちなみに、ミュージアムショップには、日本人のスタッフ(女性)もおりました。

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Freud Museum

http://www.freud.org.uk/

20 Maresfield Gardens
London NW3 5SX
最寄駅は、Finchily Road
音声ガイダンスでは、フロイトの晩年の声を聞くことができますニコニコ