【キャスト】 (敬称略)
万次郎 : 岸 佳宏
ホイットフィールド船長/
島津斉彬/ブルック大尉 : 田島亨祐
伝蔵親方/役人/老中 : 高林幸兵
重助 : 川口雄二
寅右衛門/幕臣 : 奥田直樹
五右衛門 : 相良昌彰
福沢諭吉 : 三宅克典
役人/親藩藩主 : 牧野公昭
アリー : 堤水流奈津子
ポリー : 山西里奈
キン : 谷口あかり
ギン : 林 香純
【男性アンサンブル】
中村 巌 安東 翼 川村 英 分部惇平 林 晃平
梅津 亮 田中宣宗 嶺山秀平 飯村和也
【女性アンサンブル】
出雲 綾 高水彩圭 山本志織 倉斗絢子 織笠里佳子
須田綾乃 坂田加奈子 井上佳奈 原田美欧
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久々の四季観劇でした。
あーやっぱりいいわぁ。
ファミミュに素晴らしー良キャストたくさん!贅沢な舞台です。
江戸時代、漁に出て嵐にあい難破し、アメリカの船に助けられ、そのままアメリカ行って教育を受け、そして日本に帰国し、日米両国のために尽力した実在の人物、ジョン万次郎のお話。
これがねーまた岸さんの万次郎がすっごくイイ!
漁師の息子にしては品が良すぎますけど(笑)、明るくて前向きで熱い心で困難に立ち向かっていく、そんな万次郎、似合ってましたー!
歌も素晴らしいし、お見送りの岸さんもそりゃーもぅ
あとね、田島さんがまたまた素晴らしいのです、万次郎をわが子として引き取るアメリカ人船長と、先進的な考え方の幕末の藩主、島津公、それから万次郎が一度日本に帰り、再びアメリカへ渡るときの船のブルック船長のなんと3役。
どれも器の大きい役ですが、これまた田島さんがまた品よく似合ってて。
ダンスも結構あって、それがまたまたダンサー揃えちゃってるものだから見事なダンスシーンにホレボレしますよ!
JCSのアンサンブルでおなじみだった安東さんが、またまたイイ役を好演です、似合うわ水兵さん。
最初は土佐の漁民で出てたんだけど、途中からアメリカ人水夫に。うんうん、英語も似合うし、重要な役だったりします。
この作品、泣けるんです、万次郎の勇気とか、熱意とか、ホイットフィールド船長との愛情とか、日本への想いとか、そしてすっごくイイ子なの万次郎って。岸さん、ほんとピッタリです。
出演者全員のお見送りがすっごくあったかい雰囲気でね、なんだかロビーでのお見送りでこんな嬉しいあったかい気持ちになれたの始めてかも。
田島さんに、「すっごく良かったです!」って言ったら「いや~そう言われると嬉しいです~」って握手Gyuuuu!!!としてくれました。
安東さんも、「ありがとうございます!また来て下さい!」って、水夫の握手(?)をし直してくれました、ふつーの握手じゃなくて、腕相撲見たいなスタイルの組み方の握手です。
安東さんはJCSの物売りも面白かったけど、今回のアメリカ人もナイス!
そして岸さん。
横浜キャッツのスキンブルで、どんなに体調が悪くても、デュト様お迎えに行けなくてミスト(だっけ?)に代わりにいってもらうくらい具合が悪くても、カテコではしっかりと心をこめて笑顔見せて握手してくださったあの岸さん、お見送りでもとーっても素敵でした。 あの笑顔で「また来て下さいね!」って言われたらそりゃーお姉さん嬉しいったら。
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万次郎と同じように、船が難破して外国に流れ着いた日本人は他にもいます。
公式記録として残ってるのはごく少ないでしょうけど、少なくともロシアには何回かに渡って日本人が渡ってます。
井上靖先生の名作 「おろしや国酔夢譚」は、ロシアに流れ着いた大黒屋光太夫の話
万次郎は利発な少年で、ハワイ途中下車ではなく、自ら望んでアメリカ本土へ渡ったわけで、そこで教育を受け、勉学に励み、しっかりとアメリカの地で自分の居場所を掴んで、それでも日本へ帰国して両国の役に立つという夢をかなえた、これアメリカン・ドリーム(ちょっと違 (^_^;)
一方、ロシアに流れた光太夫は全く違う。
仲間は次々と凍傷や病気で脱落し、助力を得てロシアの首都まで行き、女帝エカテリーナに拝謁し、帰国を願い出、許され、ロシア船に乗って堂々の帰国をしたものの、時の幕府からは「それは夢だと思え、外国の様子なんてペラペラ話さないようにね、ハイ終身軟禁ね」と非情な結末・・・。
なんでしょーか、この万次郎との違いは。∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
ファミミュの主役になれるかどうかの違いですけどね(違)
光太夫も、異国ロシアのさまざまな記録を持ち帰ったにもかかわらず、それは日の目を見ることはなかった。
この差は何だろうと思わず比べてしまう。
個人として帰国してきた万次郎と、ロシア政府の艦隊で送られてきた光太夫。
1851年に帰国した万次郎と、1792年に帰国した光太夫。
同じ江戸時代とはいえ、江戸末期の万次郎帰国の頃と、10代将軍家斉の治世だったバリバリ江戸中期の頃とは幕府の力も各藩主の状況も違うのはとーぜんですが、ぁぁもったいないなー光太夫も相当な人物だったらしいです。日露関係もまた違ったものになってたかもなのになー
故・緒方拳さん主演で映画にもなってます。
http://www.youtube.com/watch?v=E4WavakNsbg (←クリックどうぞ。映画の予告編です)
映画のクライマックスは、女帝エカテリーナに帰国を願い出る場面です、この拝謁の場面のため、緒方さんは撮影前は女帝役の女優には食事に誘われても行かなかったとか。
西田敏行さんも漂流民の役で、凍傷で足を失い、ロシア正教に帰依し、日本へは帰国しない運命で、またすっごく泣けるのー。
いい舞台を観た後は、関連する本や映画をまた見たくなるのです。これから「おろしや国酔夢譚」読み直そー