日記より5 | 闘病日記 by moppu

闘病日記 by moppu

何処にでもいる、つまらない男の生きた歴程。
長い間の御厚情に感謝します。

今日も普段と変わらない一日が終わった。

 

朝の検温から始まり、消灯の合図で終わる。

 

十年一日のような毎日。

 

 

この生活になってから、何日が過ぎたのだろうか。

 

以前はとても苦痛だった、変化のない一日。

 

だが、今はそうでもない。

 

と言って、諦めたわけでもなく、慣れてしまったわけでもない。

 

何も変化がない・・、訳ではない事に気づいただけのことだ。

 

 

生々流転。

 

万物は、常にその姿を変えている。

 

窓から見える景色は、時の流れと共に変化している。

 

窓辺に来る訪問者達も、常に変わっている。

 

自分自身の姿も心も、毎日変化している。

 

この変化を楽しもう。

 

そう考えられるようになった。

 

 

以前は、苦痛で焦りや不安の源泉だった時の流れ。

 

今は、時の流れが私に楽しみを与えてくれている。

 

今を諦めるのではなく、今を受け入れ楽しむ。

 

この思いが、私に朝を受け入れる勇気を与えてくれる。

 

 

今日はどんな日なのだろうか?

 

夜が明けたら、朝の新しい空気に触れるられた事に感謝しよう。

 

窓辺の訪問者達に、挨拶と感謝をしよう。

 

そして、新しい一日のために祈ろう。

 

私と、私の友と、全ての人のために祈ろう。

 

今日は、少し歩いてみよう。

 

「イトカワ」から帰ってきた「はやぶさ」のように、

 

時間を掛けて歩いてみよう。

 

 

枕元の時計が午前四時を指している。

 

もうすぐ夜が明ける。

 

今日が、やってくる。