こんばんわ。
みのです。
今回は、体外受精ってどんな治療??
について書いてみます。
もう治療を開始されている方はご存じだとは思いますが
今回はまだ妊活初めてまもない方や体外受精って何するのか全然わからない!という方向けに、簡単にご説明していきたいと思います。
まず、通常の月経周期では脳から分泌されるホルモンと卵巣から分泌されるホルモンで排卵する卵を育てています。
体外受精では、まず体内でおこるホルモンの分泌に変わって、注射や飲み薬を使い卵巣内の卵を育てていきます。そして排卵直前まで育ってきた卵を体外に取り出して(採卵)、精子と出会わせることで受精が成立(通常体外受精や顕微授精)。
その後およそ5~6日目まで体外で受精卵(胚)を育て(培養)、うまく育った受精卵を子宮の中に戻してあげます(胚移植)。あるいはうまく育った卵を一度凍結保存しておいて、また別の月経周期で子宮の中に戻してあげます(凍結融解胚移植)。
《具体的なスケジュール》
0.体外受精に入る前の周期にお薬を使って卵巣の状態などを整えることもあります
1.卵胞の状態やホルモンの状態をチェック(月経2-3日目)
2.体外受精の方法に応じて、注射や飲み薬をスタート
(月経2-3日目より:連日の場合や自己注射可能な場合など色々)
3.卵胞(卵が入っている袋)が十分に育ってきたら、採卵(卵を体外に出す)日を決定
(月経10―14日ごろ)
4.排卵の命令を出す薬(hCG)を注射
5.その約34―36時間後に採卵
※夜間にhCGの注射(当院では22:00)をして、翌々日の朝(当院では8:30から)に来院し採卵というケースが多いと思います。
6.採卵の当日に、精液検体を提出。その当日中に通常体外受精や顕微授精により受精させる。
7.翌日に受精ができているかを確認。その後5-6日間体外で培養。
※この培養の間に、例えば3日目、あるいは5日目に来院し育った受精卵を子宮に戻す胚移植が行われることも。
※あるいは、育った受精卵は一度凍結保存をして、次周期以降に融解して胚移植をすることも
注射or飲み薬(卵胞発育)→採卵・採精→胚移植 というような流れですね。
《体外受精に対するよくある心配ごと・・・》・
A.代表的な副作用は『卵巣過剰刺激症候群』とよばれる副作用です。
これは卵胞をたくさん育てることによって、エストロゲン(E2)と呼ばれるホルモンも沢山分泌されます。
このエストロゲンには、血管の中の水分を血管の外に出してしまう作用があり、ひどくなるとお腹の中に水が溜まったり(腹水)、もっと重症になると血栓ができてしまいます。昔は、今よりも沢山卵を育てる傾向にあったので卵巣過剰刺激症候群になってしまうケースもみられましたが、現在はこの危険性が広く認識され、こまめに卵巣やホルモンの状態をチェックしたり、注射の量をコントロールすることで安全に体外受精が行われるようになっています。また事前にAMHを測定することで、卵巣の薬に対する反応を予測し、卵が育ちすぎてしまいそうな場合には、注射の量を減らすなどの工夫もされています。
Q.いっきにたくさんの卵を採ると、卵巣の残りの卵は減ってしまわないの。
A. 体外受精をすることで、減ってしまうことはありません。
詳しくは2014年4月12日のブログをご覧下さい。卵の質についても記載してます♪
Q. 採卵や胚移植って痛くないの??
A. 採卵は、膣から細い針を通して卵巣の卵を採ってきます。痛みは個人差があり「全然耐えられるわ」という程度から「痛くてむり」という程度まで様々。たいていの病院では全身麻酔で眠ってしまうか局所麻酔をして行って、できるだけ苦痛がないように行ってくれます。採卵の個数によっても、麻酔の種類や有無は様々ですね。
Q. 体外受精で生まれた赤ちゃんへの影響は?
A. 現在、体外受精や顕微受精の技術が影響して、生まれてくる赤ちゃんに染色体異常などの影響はないと一般的に言われています。ただし、体外受精を行う方の群では、自然妊娠された方の群よりも年齢が高くなる
傾向があります。赤ちゃんに染色体異常が起こってしまう原因の一つには、女性の年齢が関係しているので、体外受精の方で染色体異常の率が上昇するというデータもあります。
また顕微授精を必要とする場合の多くは精液所見に問題があります。その場合、精子自体に染色体異常や遺伝子異常がある確率が高くなります。そのため、顕微授精での先天異常のリスクは高くなります。
もちろん、まだ解明されていない未知のリスクがあるかもしれませんが、安全に体外受精の治療を受けて頂けると思います。