我が家に月に一度、長谷川先生が訪問診療に来てくださっています。

夫「テレビ、拝見しました。」
長谷川先生「見てくれたんだ。どうでした?」
夫「テレビ映り、いいですね。」
私「それって失礼じゃないの?」
長谷川先生「テレビ映りが良いって、褒め言葉だよね。見てどう思いました?」
夫「良い取り組みだなって想いました。」
私「ちゃんと内容覚えてるの?」
夫「地域リハビリについて。」
私「長谷川先生の他に、誰が出てたか覚えてる?」
夫「落合恵子さんと、ななの代表の人。」
長谷川先生「前に比べたら、ずいぶん記憶の入りもしっかりしてきたんじゃない?ここに来て最初に会った頃よりも顔もしっかりしてきたし、これだけ大きな病気をして、大きな手術を何回もしてきたんだから、それだけでも脳の機能って一時ストップするんだよ。これから、これから、楽しみだね。」

確かに、退院直後の2年半前、言葉もほとんどいえず、言葉が返ってくるのものもずいぶん時間がかかりました。
言葉が言えるようになってきても、「お昼何食べたか覚えてる?」の質問にいつも「忘れた。」って言うのがお決まりの答えでした。ほんとに記憶力はここ一年でよくなってきています。

入院中、私はお医者さんに会うのが嫌いでした。(もちろん、心臓の手術をしてくださったN先生をのぞいてですが)お医者さんに会うと、落ち込むことばかり言われ、その後ずいぶん立ち上がれず、もうトラウマになっていました。
「何か他に聞きたいことは?」と聞かれても、これ以上ひどい事を言われるのが恐ろしくて、聞きたいことがあっても「いえ、特に。」って、言うのが常でした。
今は、月に一度長谷川先生がいらっしゃるのを、私も楽しみにしています。
何でも相談できるし、私まで元気にしてくださるので、明日からまたがんばろうって思えます。本人もそうですが、家族まで元気にしてくださる先生って、なかなかいらっしゃらないなって思います。
帰り際に
「今年は、リハビリ頑張って飛躍の年にしましょうね。」
とおっしゃっていました。
さあ、また一ヶ月私も明るくがんばろう