飯田市立病院:遺族が慰謝料求め提訴 帰宅後に男性死亡、「適切な治療怠り」 /長野
飯田市立病院に救急搬送された同市内の男性(当時70歳)が、帰宅後に容体が急変し死亡したのは、同病院が適切な治療を怠ったのが原因として、男性の遺族3人が10日までに、病院を運営する同市を相手取り慰謝料600万円を求める訴えを、地裁飯田支部に起こした。
訴状によると、男性は05年1月3日夜、腹や腰に激しい痛みを訴え同病院に救急搬送された。採血や腰部のレントゲン撮影などの検査を受けたが、当番医らは異常を確認できず、入院を求める家族の要求を拒否し、痛み止めを投与しただけで帰宅させた。帰宅後も男性の痛みは治まらず、4日午前9時ごろに意識を失い、別の病院に救急搬送されたが、解離性大動脈瘤(りゅう)で死亡したという。
原告で男性の長女は「父が帰りたくないといっていたのに、なぜ入院させてくれなかったのか。病院にいればこうはならなかった」と訴える。一方、同病院は「帰宅時間が遅く、親切さには欠けていた部分はあるが、診療は適切。病院での診療内容と、死亡したことには関連性はない」と話している。
いくつか気になる点があります。
「父が帰りたくないと言っていたのに、なぜ帰したのか」
これからは、入院の適応が診断の結果ではなく、患者の「希望」になりそうです。
「腹や腰に激しい痛みを訴えた」
たしかに、こう書くといかにも重篤であったことを想像させますが、その「激しさ」は
どの程度だったのか。当直医が、それほどの重篤感がない、と判断したのかもしれない。
それでも、腹痛・腰痛を訴える患者には解離性動脈瘤を疑わなければならない、
ということなのか。
結論としては、「腹痛・腰痛を訴える患者には、全例腹部CTや腹部エコーを
行え」ということでしょうか。勉強になりました。
にしても、慰謝料600万円というのを「意外と安いな」と思ってしまうような
金銭感覚になってしまいました。