たまには勉強関係の話も書いてみようと思います。



私が学生のころは、痛風の薬といえばアロプリノールかプロベネシドでした。


ばかの一つ覚えのように、この二種類の薬を覚えていて、


尿酸生成を抑えるのがアロプリノール、排泄を促すのがプロベネシドというふうに


覚えていました。


「ア」と「プ」だと、アのほうが五十音順で前に来るから、排泄より前の段階の生成を


抑えるのだ、というゴロ合わせをしていたものです。



ところが、その痛風治療薬に新薬が登場するようです。


その名も フェブキソスタット




言いにくい、そして覚えにくいです。


薬の名前なんてそんなもんだと思うんですが、どうもこの名前は


頭にすんなり入ってこないんですよね。


まだ申請段階で認可されたわけではないようなので、国内で発売されるまでには


時間がかかりそうですが、痛風治療薬としては40年ぶりの新薬となるそうです。



こうやって、医学は進歩していき、頑張って覚えた薬も段々と時代遅れになっていくんだろうな、


なんて思いました。


実際、今開業している先生方で60歳以上になってくると、降圧薬のARBもあまり知らないとか。


もちろん、しっかり勉強しておられる先生方も大勢おられるかと思うのですが、MRがあまり


熱心に営業に行かなかったりすると、新しい薬の情報は地方の開業医の先生方には


なかなか回らないとか。



私の勤めている病院に紹介されてくる患者さんでも、一世代二世代前の治療薬をかかりつけ医から


処方されている場合があったりします。


(もちろん、私は一世代二世代前を知らないので、上級医から教わるだけなのですが)



そう考えると、ますますローテってのは意味がないように思えてきてしまいます。


現時点での治療法を学んだところで、その方法がいつまで通用するのかわかりませんし、


自分の専門外まで常にアップデートしておくのは、物理的に厳しすぎると思うわけです。