この症例は、私が始めて「主治医」になった症例です。
研修し始めたばかりのころ、治療云々というよりも病院のシステムや
患者・家族との関わりをメインに学んでもらおう、という目的で
比較的落ち着いた患者さんの主治医となりました。
80才の男性
既往として脳出血、糖尿病、心房細動があります。
今回の入院はリハビリ目的です。
入院時の血液検査にてアルブミン低値、総コレステロール低値、ALP(主に肝機能の指標)高値、
血糖高値、尿酸高値を示していました。
糖尿病の既往があるにも関わらず、糖尿病薬は何も内服されていません。
不思議に思って、もう少し詳しく調べたところ、なぜか食前・食後2時間値はともに正常。
そして、HbA1c(ここ1~2ヶ月の血糖値の指標)も正常値でした。
まぁ、糖尿病に関しては特に何もしなくてはいいのかな、という感じです。
それから、心房細動について。脈を抑える薬を飲んではいるのですが、どうも
コントロールが悪いわけです。理想的には脈拍100回/分を切りたいのですが、
120回近くあるわけです。ホルター心電図(24時間心電図)をつけても、心房細動により
一日脈拍15万回近くありました。
患者さんの所見ですが、脳梗塞による片麻痺があります。意識レベルは
はっきりしているのですが、脳梗塞のせいか、認知症のせいか
何かボーっとしているような感じはありました。他にはこれといって
特徴的な所見はありませんでした。
もし、研修医の方がこれを読んでいたら、思い当たる疾患はありますか??
結構メジャーな疾患ですし、国家試験でも良く出るものです。
答えはまた今度。