昨日、救急外来にて6才位の男の子が、喘息の悪化で

受診してきました。

上級医が診察する前に、まず私が診察することになります。

もともと喘息にて当院受診しており、それほど詳しい問診や

診察も必要なさそうだったのですが、とりあえず

喘息悪化の原因になりそうなことだとか、薬の服用状況を

聞こうと思っていたのですが・・・・


なぜか、患者さんを呼んでも、男の子しか入ってきません。

親か誰かと一緒に来てると思い、その子に聞いてみると


「お母さんが一緒に来てるけど、


タバコ吸いに行ってる




はぁ、ため息しか出ません。


仕方がないから、その子供に最近の様子や内服状況を聞きました。

いつから調子が悪かったのか尋ねると、どうも昨日の朝から

調子が悪かった、とのこと。受診が今になった理由を聞くと



お母さんが大丈夫だろうって



・・・・・


最近は薬を最近飲んでなかったようで、その理由を聞くと、



最近発作が出なくなってたから、

お母さんが飲まなくていいって言った




ため息も出ませんでした。リアルにうつむいてしまいました。

なんでこんな親がいるんでしょうか。

もちろん、母親に好意的に考えれば、



喘息にタバコはよくないこと

喘息の発作が出なくなったからと言って、自己判断で薬を止めてはいけないこと


そういった知識をちゃんと教えてなかった医師が悪いのかも

しれないんですが・・・・



発作で少し苦しい、という訴えもあることですし、まずは吸入が

必要だろうと思い、上級医に相談して診察してもらうことに

なりました。

肺炎が心配だからレントゲンを撮ろう、ということになった時、

一服終えた母親が診察室に入ってきました。


ガムを噛みながら


そして一言目が



先生、どうなの?



絶句です。

遅れたことの謝罪もなければ、ガムを噛みながら

タメ口で「どうなの?」って・・・・


ちなみに、その時診察していた上級医は

50歳代の超ベテラン医師。対する母親は20歳代後半と

いったところ。

この母親にちゃんと説明する気力を根こそぎ持っていかれた瞬間でした。




それでも、上級医の先生は何事もなかったように

淡々と説明されました。

出されている喘息の薬は、悪くならないように予防的に

飲むものですから、勝手に止めないでくださいね、と

穏便に伝えても、その母親は



最近調子良かったもんね



と、子供に語りかけ、自分の判断は間違ってなかったと

言いたげな雰囲気。


もうどうでもいいよ・・・・



私は内心そう思ってしまいました。

私が診察を担当していたら、その母親と口論に

なっていたかもしれません。

上級医を呼んでよかった・・・・



あとあと、その先生に、母親が

ガムを噛んでいたことや、タメ口だったことを

話すと、



あれ、そうだった?ひどいねぇ、気づかなかったよ




かっこいいー

私も、そんな風に

さらっと流せる人間になりたいものです。