私の前職は高校教諭です。

そこそこ楽しくやっていました。
学校は好きでしたし、教育はとても興味深い分野で。
私自身、幼い頃はとても引っ込み思案でしたが、それが克服できたのも学校の教育のおかげだと思っています。

あと、とても世界が広がった!
私は一人っ子で、親は自営業。
割とテレビもあまり見なかったり、流行を追わない家庭だったので、みんなが当たり前に知っていることを知らなかったり。
だから周りのみんなに合わせることも新鮮で、単純に楽しかった。

このように得られたものも多かったため、当初育休明けには仕事復帰の予定でした。

しかし、いざ子どもを産み毎日観察してみると、
子どもが生まれながらに持っている好奇心やものの見方の素晴らしさに気付きました。



そして残念ながら学校教育のほとんどが、
大人の思う型にはめること
もしくは大人の思う方向への誘導することにすぎない、
ということにも気付いたのです。

今まで自分の体験として教育の恩恵だと思っていたものが、実はそうではない面もあるということがショックでした。

なるべく子どもが本来持っている力に邪魔をせず、型にはめずに育てられないか。
そう考えたとき、
このまま学校にいるのは親としても良くないと思いました。
自分の思う教育ができない場所にいることは、正しい働き方ではないと感じたからです。

また、自分が本当に好きで好きでたまらないことを仕事にしようと思いました。
教員の仕事は、大変興味深い仕事ではありましたが、日曜の夕方に「あ~明日からまた仕事か」と思ってしまう程度のものでした。

毎日が仕事でも良いくらい自分が本当に好きなこと。
自分が子どもの頃に好きだったことなどを振り返り、くる日もくる日も考えた結果、
ある日「あぁ、手芸を誰かに教える仕事をしよう」と思い立ったのです。

他にもいくつかアイディアはありましたが、自分の中にストンと着地したのはこれが初めてでした。

大好きな手芸ができるだけでなく、
教育に関して考えていたことを自分の子ども以外にも実践でき、
かつ自分の考え方と生き方の間に矛盾がなくなるのです。

そしてもうひとつ、決めたことがあります。
それは、もし子どもが保育園や幼稚園に行きたいと言わなければ、自分と一緒に好きなだけいさせてあげよう
そのために、子連れでできる仕事のスタイルをみつけよう、ということです。

赤ちゃん時代の過ごし方こそ、その後の人生を大きく左右する一番大切なものだと思います。これは高校生に接してきたからこそ、はっきりといえること。

この時期の欲求がきちんと満たされることで、満足が得られ心が安定し、その後の生き方に大いに影響するのです。

そしてこの時期、すべての赤ちゃんに共通するの最大の欲求は、
【お母さんと一緒にいたい】ということです。その欲求をきちんと満たしてやるには、時間をかけていっしょにいてあげること。
思春期になれば自然と子どもは離れて行きます。
それまでにきちんと甘えさせてあげる。


それをするには、やはり職場の育児休暇だけでは不十分で、働き方を一から考え直す必要がありました。

だから子連れの手芸教室を始めました。

【手芸】と【教育】と【働き方】
この三つが目下私のテーマなのです。