手芸教室をやっていたとき、一番多いご相談が
「ミシンを買いたいけど、どれがいいかわからない」
というものでした。
初心者の方向けの手芸教室だったので、まだミシンを持っていない方が多かったのです。
また、子連れOKでやっていたため(私も子連れ)、来てくださる方は赤ちゃん連れが多かった。
これから保育園や幼稚園に行くのに、ミシンの使い方を習いたい・一台くらい持っておいてもいいかも、という方がとても多かったです。
1年間で20件くらいはご相談があり、私の見解をアドバイスしました。
その後、実際に買いに行かれて、レッスンに持ってきてくださった方もいました。
私は、全てのミシンを触ったことがあるわけではないです。
うちにいろんなメーカーのミシンがあるわけでもありません。
けれど、週5くらいはミシンに触っているので、選ぶときに考えるべきポイントをお伝えすることができます。
「どこのメーカーが良いの?」
「高い方がいいの?」
「この機能って必要なの?」
「っていうかこの機能はなに?」
そんなご相談に、あなただったらここを重視すると良いですよ、というアドバイスをしました。
これからミシンを購入予定の方にいくつか参考になりそうなことを書いておきます。
あくまで私の意見です。
実際に手芸屋さんに行って実物を見たり、売場の方のおすすめを聞いたりしてご自分にあったものを選んで頂く際のヒントになればと思います。
長くなるのでシリーズにします。
書いた内容以外で聞きたいことや、疑問な点があったら、コメントなど頂ければお答えします♪
【ミシンの種類について】
ミシンの種類は大きく分けて、3種類あって、
①家庭用ミシン
②職業用ミシン
③ロックミシン
です。
今回は、初心者の方向けの話なので、②職業用ミシンと③ロックミシンの話はしません。
①の家庭用ミシンについてです。
実は、家庭用ミシンにも2種類あるのです。
a. 電子ミシン
b. コンピューターミシン
です。
どこで見分けるかというと、縫い目の種類を変えるときどう操作するか、ということ。この部分に違いがあります。
a.電子ミシンは、たいていの場合本体の右脇にぐるぐる回すレバーがついていて、それを回すと縫い目を変えることができます。
↓こういうやつです。
2つついているかもしれませんね。
一方、b.コンピューターミシンは、縫い目を変えるときボタンで操作します。
こういう標示画面がついていて、ボタンを押すと縫い目や縫い目の幅を変えることができます。
ボタンで操作するので、a.電子ミシンのような右のレバーは1つしかついていません。
逆にa.の電子ミシンには、標示画面がありません。
こちらが見分けるポイントです。
よく勘違いされる方もいるのですが、どちらもコンセントが必要です。
コンピューターミシンは、電気のイメージがあるけど、電子ミシンの《電子》ってなに??って感じですよね。
たぶん、元々ミシンというのは足踏みミシンだったので、電気が要らなかったのです。
そのあとに登場したのが、電気を使って動くミシン。だから電子ミシン。
で、その後出たのがコンピューターが内蔵されたコンピューターミシン。
だからどちらも電気を使うけれど、一方には《電子》とかついていたりして、名称がわかりづらい感じになってしまったのかと思います。
じゃあ、電子ミシンは古くてコンピューターミシンは新しいのね!
コンピューターミシンの方が優れてるんでしょ!
…というものでもない気がします。
実際に売り場に行くと、電子ミシンもたくさんあります。決して古いタイプというわけではないです。
じゃあ何が違うのかって話ですが、先程言ったように、縫い目の種類の変え方に違いがあるかな、と思います。
簡単に言うと、
電子ミシンは縫い目の種類が少なく、コンピューターミシンは縫い目の種類が多い
という傾向にあります。
考えてみればそうなるのも当然で、
例えば私の使っているコンピューターミシンはなんと70種類もの縫い目ができるんです!
ボタンで10の位と1の位をピポパポやれば、ものの数秒で縫い目の種類を変えることができます。
ですが、これが電子ミシンだとしたら、右のレバーを希望の種類になるまで回さないといけなくなるんです。
例えば70番目の縫い目をやりたいと思ったとき、
「35、36、37… 68、69、70…!」という感じでレバーを回さないといけないとしたら、それだけで3分くらいかかっちゃいそうです。
だから、電子ミシンで縫い目の種類がたくさんついているものはありません。
多くて10種類前後かなと思います。
で、コンピューターミシンはというと、縫い目の種類が少ないものも多いものもあります。
基本的な直線縫い、ジグザグ縫い、ボタンホールなど、電子ミシンと同じくらい(10種類前後)のものもあるし、
私のミシンのように70種類もの縫い目があるのもあります。
また、少し値段は上がりますが、簡単なアルファベットや数字、ひらがなカタカナができるタイプもあります。文字が縫えるのは少し高いですね。
文字縫いはコンピューターミシンしかできないので、どうしても文字を縫いたい(刺繍したい)という場合には、コンピューターミシンで文字もできるタイプに絞りましょう。
大は小を兼ねる的な発想で考えるなら、いろんな種類の縫い目があった方がいいかもしれません。
ただ、私の個人的な感想としては
普段使う縫い目なんて3種類程度!
です(笑)
私も始めたての頃は、「70通りも縫い目のパターンがあるのね♡素敵♡いろいろ刺繍しちゃおっと♡」なんて思って買ったんですが、まー使わない使わない(笑)
直線縫いとジグザグミシンくらいです。
直線縫いはファスナーをつけるとき、針の位置を横にずらすパターンを使用するので、2種類使いますが、それでも合わせて3種類ですよ。
3年間で1回だけボタンホール縫うのをやったかな。
でもボタンホールならたいていのミシンに最初からついてます。
70種類もいらなかったわけです(笑)
なんでいろいろ縫い目があるのに使わないか、自分でも考えてみました。
たぶん、《布が可愛い柄だから》だと思います。
最近は、本当に素敵な柄の布が売ってますよね。
入園入学グッズ用の布もすごく可愛い。
あと、私はリバティが好きなんですが、シーズン毎に新しい柄を出してくれるからすごく楽しみです。
布自体が素敵だし、布の柄を生かしたいから、縫い目はシンプルでいい。
結局は直線縫いばっかになります。
逆に、無地の布ばかり買うという方は、ちょっと縫い目で遊んでも面白いかと思います。
わざと布と違う色のミシン糸で模様を出すと、綺麗だし楽しいと思います。
なので、ご自分がどんなものを縫いたいか、縫い目はたくさん必要なのかどうか、このあたりをひとつ選ぶポイントにすると良いと思います。
むかーし聞いた話ですが、縫い目のパターンの多い方が早く消耗しやすい、とおっしゃる方がいました。
たしかに、縫い目の種類が豊富ということは針の位置が左右前後に動く必要があるということ。
当然、針周辺にかかる負荷は増えます。
だから早く壊れてしまうのだ、という理論なのだと思います。
うーん、修理屋さんでないので本当かどうかわかりません。
一理あるなと思う一方で、ミシンて意外と壊れにくいなという印象もあるんです。
私はかなりミシンを酷使してる方で、厚みのある帆布やジーンズを結構ガンガン縫ってもらっています。
たまに「ガチャン」とか異音がすることもあるんですが(笑) 翌日また戻ってくれたりして、案外大丈夫なんです。
だからちょっとやそっとでは壊れないなと。
縫い目の種類が豊富=壊れる確率が上がる
という説は無視できるほどに、ミシン自体の性能も上がってるんじゃないかと思うんです。
ですので、電子ミシンもコンピューターミシンもそこまで違いはないです。
あるとしたら、縫い目の種類の量。
これはご自身の目的を選ぶ基準に。
あとは好みの問題です。
コンピューター画面に苦手意識のある方は、シンプルな電子ミシンが良いです。
デジタルっぽいのが好きな方はコンピューターミシンがおすすめ。
デザインや操作性から気に入ったものを選ぶというのも、私は結構大事だと思います♪
次回は、ミシンの金額について書く予定です。
※画像貼るのがうまくいかなかったので、明日またトライします。