あなたは1年前のこの時間、珍しく夜泣きをして、わたしは抱っこして寝かしつけて、いつもどおりあの寝息を聞きながら隣で眠った。
もう少し長く抱っこしていればよかったと、何回思ったか。
私はあの日から今日までの1年間を生きた
ほとんど泣かずに、たくさん笑って生きてきた
お葬式も火葬も泣かなかったし、法要も泣かなかった。
去年の夏に会った友達の前で泣いたくらいで
親の前でも、主人の前でも、友達の前でも笑顔で、毎日笑って元気にしていて。
週に2、3回くらいのパートも始めて、そこでも元気に働いてて
友達に、ちゃんと笑えて外に出て偉いね、すごいねって言われて。
私なら無理だよ強いね頑張ってるんだねって言われて
事情を知ってるパート先の社長に、笑顔がキラキラしてるし大丈夫、立ち直ってきてるよ。ちゃんと娘ちゃんも見てるから頑張らなきゃねって言われて。
弱音を吐かないね泣かないねって。
みんなホッとしてくれている。
毎日笑って、たまに働いて、いつもどおり細々したミスをして、ちゃんとご飯を食べて、作りかけのまま触れないでいるアルバムを横目に家事をして、ちゃんと眠って、毎日毎日生きて。
何がえらいのか凄いのか。
頑張って笑ってるけど本当は辛いんですって、立ち直れないものです困ったものですねって素直に言えるほうがいいんじゃないかなぁ
元気でいてほしいって周りが思うから、安心してほしくてそうしてるだけ
苦しむ姿を素直に見せられないだけ、とても弱い
毎日思うんです
わたしこんなところで何してるのかなって。
それが悲しいとか落ち込むとか辛いとかではなく
ただ淡々と、あれ…何してるんだろうなぁと。
毎日夢の中にいるみたいで
法要の日、へーちゃんのからからの骨を見て。
あ、もういないんだね。って思って。
いたんだよね。ちゃんといたよね。
写真や動画でこんなに柔らかそうな赤ちゃんなのに、でももう、こんなんになっちゃったんだね。
脆くて細い骨はもう抱きしめられないよ。
なんでこんなに小さくて軽いのかな。
そっかぁ。
もういないからなんだね
そっか、寝ても覚めてもいつまでも夢の中みたいなふわふわしたこの毎日は現実なのかぁ。
って思って。
1年前のこの時間、あなたはちゃんと生きていた。