「RISTORANTE E'VOLTA Unico Polo(リストランテ エボルタウニコポーロ)」@桜木町(☆彡)
https://www.evolta.tokyo/location-yokohama_minatomirai.html

 「サローネ2007」の統括料理長をされていた髙見博史シェフが「E'VOLTA(エボルタ)」を開業して,

順調に3店舗目を横浜の新しいホテル三井カーデンホテル横浜みなとみらいプレミアに開店。
 E'VOLTAはイタリア語の粋Eleganteと時間Voltaをあわせた造語とのことです。
 これにブランドコンセプトの自然NATURE×素材感TEXTURA、現代MODERN×本質ESSENTIALLYを洗練させ、フード・ドリンク・サービス・テーブルウェア・インテリアのすべてのコンセプトに「日本らしさ(JAPAN-NESS)」の"粋"なエスプリを融合。

 イタリアンベースのイノベーティブなコースを景色の良い空間でゆったりと、コスパ良くいただけるので、リピートするレストランになっていくのだろうと思います。

 みなとみらいのレストランで困ったときにはぜひ!!

  
住所:横浜市西区みなとみらい3-3-3 三井ガーデンホテル横浜みなとみらいプレミア 20F
電話:050-5600-4780
定休:無休(三井ガーデンホテル横浜みなとみらいプレミアに準ずる)
営業:7時〜10時半/12時〜15時/17時半〜22時
 
 みなとみらいの住宅展示場だった場所に気がついてみれば出来上がっていたビル内のホテル「三井ガーデンホテル横浜みなとみらいプレミア」。入り口は横浜美術館側と結構わかりにくい感じがします。
 入口から入ると1階には縦に切って寝かせた木とその上に植えられた緑。
 その奥の部屋になるエレベーターは障害者用のボタンしかないので戸惑う。
 直通で20階のホテルに。降りて右の方です。
 すぐ右にあるのがこちらのレストラン。高い天井に黒枠でガラス壁の仕切り。ダークグレイの扉は開放されて、驚きの大箱の店内が見えます。右側の壁には白いプレートに金色の文字で看板。

 ホテルはむかって左の方にレセプション。ロビーには自動演奏のグランドピアノに角に向かっている一人用の大きめのソファが並んでいます。

 入口入って右にレセプション。そのまま置くにウッドの骨組みで飾られ弧状に出っ張っているオープンキッチンが見えます。

 ダイニングが広く、ホテルのロビー階なので天井は高い。壁側は大きなガラス窓で、ランドマークからウイーンズスクエア、そして海が見える素晴らしい景色です。
 窓側の席は二人が外を向いて並んでいただける特等席ですね。

 テーブルの上には鮮やかなブルーの見せ皿とナプキン、そして今日のメニューが上質な髪の入れ物に入れられているサローネスタイル。いや、考えてみれば、この方式、高見シェフが来るまではサローネでも取られていなかったような気がしますから、シェフの考案なのかも。

 

23年6月1日夜の来訪。

 同じくサローネ好きの友人らと19時の予約で伺いました。

  
ディナーコースDINNER COURSE 8470円
 価格帯はこのクラスのお店にしては安い。幅広い層や世代に利用していただけると思います。
 
Pane )色々なパン
HOMEMADE BREAD

 最初に供されるのは全粒粉のパン、温かく甘みを感じます。表面は薄くパリッとしていて中はふんわり。このパンはとても美味しいので、すぐに食べ終わってしまうのが難点といえば難点。おかわり欲しかったなぁ。

 次に途中で追加してくれたのはフォカッチャとグリーンオリーブ入りのチャパタです。
 
Amuse )アミューズ5大陸
5 CONTINENTS of AMUSE

 このお店のシグネチャーディッシュだと思います。
 上から見ると葉の形の白い舟型の皿に5種のフィンガーフード。右からいただくこと推奨。マルコ・ポーロのように世界を旅するを象徴しています。
 右から小さなミートパイ。オセアニア大陸と書かれています。
 上にタスマニアマスタード。小さいのですが、肉の味わいでしっかり余韻に浸れます。
 次に白いのはメークインの木姜油子コンフィ。アジア大陸の一品。
 木姜は日本で山蒼子(やまそうし)という呼び名で、アロマオイルなどに使用されている植物だそうで、レモンの主要香味成分と同じ成分が含まれているらしい。実際は独特の香り。上にはマスの卵。味の方はメークインですのでそれほど主張していません。
 真ん中は佐島産蛸カレーのライスコロッケ。アフリカ大陸です。
 黒いのは蛸墨でしょうか。上にはハリッサとマイクロパクチー。
 左から2つ目は球形のガスパチョ。ヨーロッパ大陸のものです。
 ガスパチョをアルギン酸で固めた球形スープですね。上には赤海老のプラザオラとエストラゴン。小さいながらも赤海老はねっとりと美味しく、ガスパチョの酸味の効いた味わいが良い。
 最後に左はアメリカ大陸、とは言っても南アメリカでしょうか。
 アマゾンカカオのはいるジンジャーゼリーでプルプルしています。上にはミントで香りが良い。
 いただくのは添えられている金色のフォークで。
 コンセプトは良いけど、小さすぎてどれも中途半端な印象。この皿をまた食べたいという魅力には欠けていると思う。ただし、これは少量多皿構成を好まないぼくの嗜好です。多分、良いという人の方が多いとは思います。
 少量多皿なのに最初からインパクト抜群な「IZA」@鎌倉(☆☆☆彡)に先日伺ったばかりだったので、厳しくなっていると思われます。
 
Antipasto )蕪のズッパ カラスミ シチリア産オリーブオイル
TURNIP SOUP WITH DRIED MULLET ROE AND SICILY OLIVE OIL

 蕪を煮詰めたペーストのようなスープ。周辺には削ったカラスミ。垂らしてあるのは相性の良いシチリアオリーブオイル。中央にねっとりしたカラスミ。
 量は少ない。もうちょっと欲しい。
 スープとしては熱さにかけるので、「サローネ」のヴァポーレがいかに良いスープなのかと再認識させられました。
 
横浜クラフトコーラ 950円+税

 横浜クラフトコーラ。そういえば「スモークドア」@横浜(☆☆)でもいただきました。関内にあるスープカレーの店「KIFUKU」が作ったものとのこと。美味しいソフトドリンクだ思います。
 
Antipasto Caldo )対馬産アナゴコンフィ グリンピースピュレ リコッタサラータ
CONFIT OF CONGER FROM TSUSHIMA WITH GREEN PEAS PUREE AND RICOTTA SALATA

 対馬産の穴子のコンフィ。ヴァポーレと言っていたので蒸したもの、それにちょっと焼きを入れたよう。身は薄め。
 添えられているのは塩気のあるリコッタサラータを水抜きして乾燥したもの。ソースはグリンピースのピュレ。上にサクサクしている極薄のパゲット。それに赤ワインビネガーに漬けたと思われる刻んでいる酢漬けの玉ねぎ。
 
Pasta )ピーチ 兵庫産蛍烏賊のラグー つるむらさき 五香粉
PICI WITH FIREFLY SQUID RAGU, MALABAR SPINACH, FENNEL SEEDS

 トスカーナの手打ちパスタのピーチは太麺でうどんを彷彿とさせるムチムチパスタ。ピーチと聞いて最初なぜかトロフィエを想像してしまいました。「アキヅキ」@鎌倉(☆☆☆)で3年前に食べているのを忘れていました。忘れないようにしないと。
 上には乾燥させたツルムラサキの葉。
 兵庫県のホタルイカとそのワタのソースに中華のスパイスである五香粉が香ります。
 皿もそうですが、独自性が強く、好ましい一皿。
 
Secondo )和牛肩ロース炭焼き ルバーブジャム マリブゼリー
CHARCOAL GRILLED WAGYU BEEF WITH RHUBARB JAM AND MALIBU JELY

 和牛肩ロースの炭火焼き。まず最初はお肉のみでいただく。
 これは、これは、素晴らしい。十二分に良い肉質が味わえました。
 添えられているのは甘みのあるルバーブジャム。ココナツリキュールであるマリブのゼリー、苦味を加えるのか土佐甘とうを焼いたもの。
 
極上プレミアムジンジャーエール 950円+税

 次の飲み物はプレミアムジンジャーエール。
 
 最初の飲み物はもうとうになくなっていたので、ホールでお客の飲み物をチェックしてサービスするスタッフを育成することが必要です。
 ホールに人はいるのに、客を見ていないというのが一番良くありません。
 このホールスタッフの問題は最急に解決スべきで、入店時にレセプションで一人が電話対応している時にもう一人が入店してきたお客を案内できる体制も必要だと思われます。3人中2人がこの日は待っています。廣岡さん、がんばってください。
 
Verdura )ホワイトアスパラ イタリア産 キャビア サワークリーム
WHITE ASPARAGUS, ITALIAN CAVIAR. SOUR CREAM

 シンプルにホワイトアスパラを刻んだもの。
 ほんのりとした甘みを感じます。
 上にはサワークリームとキャビア、そして僕の好きな香りの良いディル。

 

Specialita )ラビオローネ 赤牛のパルミジャーノ
RAVIOLONE WITH JAPANESE BROWN BEEF AND PARMESAN

 どの皿が一番かと言われれば、ぼくがあげたのはこれでした。
 跡から聞いたらこれは高見シェフのスペシャリテ。
 ラビオリで、中にはほうれん草とリコッタチーズ、それにあかねの家のつまんでご卵の卵黄です。
 切ると濃厚な卵黄がとろけだします。ソースには赤牛のパルミジャーノ。
 濃厚な卵黄とチーズの味わいは格別。
 また食べたい一皿です。
 
「副島園」無農薬上煎茶皐月 +400円

 副島園の煎茶です。
 
Dolce )アマレーナのセミフレッド さくらんぼ サルサバルサミコ
CHERRY SEMIFREDDO WITH FRESH CHERRY AND BALSAMIC VINEGAR

 ティラミシューとの選択でしたが、これを選択しました。
 下にスポンジの土台を置いたアマレーナのセミフレッド。上にはさくらんぽのシロップ漬け。両側にはシナモンを使った薄焼きのクッキー。横のソースはバルサミコです。

 ところで、デザート両方追加で頼めないかという質問には答えがないまま終わってしまいました。閉店時間間際でなければ追加料金もらったほうが客単価が上がって良いのではないかと思いますが、そうでもないのかな?

 

Piccola pasticceria )本日の小菓子
YOUR CHOICE OF TINY DESSERT

 トレイに6種類持ってきてくださるので、その中から3種類選択します。
 マンゴーのゼリー、シナモンのクッキー、ビスコッティ、抹茶のブラウニー、ホワイトチョコのクランチ、マンゴーのマシュマロです。

 抹茶のブラウニーとホワイトチョコのクランチとマンゴーのマシュマロを選択。選択が良かったのでしょうが、どれも美味しい。
 ただ、「サローネ」で慣れてしまっているので、全部食べたい人も多いだろうと思います。3種類以上を希望の人には6種類全部まで小菓子は出してほしい。

 今回は「リスペット」@戸部(☆彡)のように、お店に苦言が多くなるときは書かないといういつものスタイルではなく、思ったことほとんど全て書いてみました。
 味覚やサービスに対する感覚は人それぞれ違うのですから、ぼくの好みを押し付けるのはまずいなと思うところがあるから普段は書きません。試食会で改善したほうが良いと参加者に言われたお店がラーメンを改善したことによって本番のラーメンが僕の好みから外れてしまったこともありますし。僕は多少ぶっ壊れていたほうがリピートしたくなる質でして、ぼくの好みが万人の好みとは違うことは知っています。
 
 イノベーティブにも分類されるこのクラスのお店にしてはコースの価格設定が安く、景色よく気持ち良い空間でいただけるのは素晴らしい。再訪はつけた星の数ではないので、きっとリピートする店になると思います。
 だからこそ、スタートしたばかりのサービスを充実させて、一皿の完成度をよりあげて下さると嬉しく思います。
 心をまず掴むためのスターターの皿も、2つくらいに減らして一品をもう少しだけ大きなポーションにして充実させ、今回はアジアとアフリカでしたが、来月はオセアニアとアメリカ…のようにプレゼンテーションするのも、次の予約を入れるきっかけになって良いかもしれません。
 
 ホテルのお客に料理を食べてもらうのではなく、この店があるからこのホテルに泊まるというお店に成長していただけると嬉しく思います。

 

RISTORANTE E'VOLTA Unico Poloイタリアン / みなとみらい駅高島町駅新高島駅
夜総合点★★★☆☆ 3.5