「とり茶太郎」@渋谷(☆☆☆)


 焼き鳥の新次元を切り開いている劇場型焼き鳥。

 「マツコの知らない世界」でフレンドの和内正一さんに紹介される前からの超予約困難店ですが、それも納得の内容。

 各種ブランド鶏を使い分け、炭火による大将の焼きは至高の技。カウンター11人で雰囲気良い空間に極上の料理、美味い飲み物、そしてこのレベルにしてはジャンルの問題なのか安い価格帯。

 ぼくが知る限り焼き鳥の最高峰です。

 

住所:渋谷区鶯谷町7-12 TAKビル 1F
電話:03-6416-0364
定休:月・火曜
営業:17時半〜20時半/20時40分〜23時半(日曜17時〜20時/20時10分〜23時)
 
 渋谷駅周辺再開発の最後のピースとも言えるサクラステージ側の桜丘町を上がった先にあるビルの1階。
 和の前面で白く長い暖簾を掲げた美しいお店。

 中に入るとL字型の木のカウンターに11席。
 眼の前は炭火の焼台。真ん中の天井側にはブランド鳥の名前が書かれた木の札がかかっていました。大将の炭火の手入れが凄い。焼きを近火遠火で使いこなしているのが目の前なのでよく見えます。

 ちなみに焼いているときの煙も凄いのですが、エアカーテンがあるそうで客席には流れていかないのは見ていても面白いし、食べているあいだ見ていて楽しい。

 

23年11月24日夜の来訪。

 超予約困難店ですが、大崎さんにお呼びいただき、3人で。20時40分スタートです。
 中から呼ばれるまで待ちますので、外には待ちの人がいっぱいでした。 
 
茶太郎おまかせフルコース 12000円〜
 料理はおまかせのみ。

 

 最初の一皿。山形地鶏の胸肉とナメコの揚げ出し。上には酸味のある大根と姫ネギ。鰹と鴨出汁の汁でいただく。
 なめこの揚出しは初めて。素揚げに近いくらいな揚げ方でした。
 美しい盛り付けに挨拶としての美味しさを兼ね備えた一皿。この後の期待が膨らみますね〜。
 

 レアな火入れの比内地鶏のササミに、松崎芹と粗くおろした山わさびのとりわさ。上には刻み海苔。しっとりしたササミが美味しいし、セリとその味付けも好みです。
 

 山形地鶏の肩肉の串。上に柚子胡椒。ぷっくり膨らんだ形をしており、ジューシーで食べ応えがあります。皮は厚めで表面はパリッと焼かれています。素晴らしい火入れ!!
 

 比内地鶏の砂肝。これまた絶妙。美味しいです〜。
 

 鴨の胸腺の串。タレで。
 こ、これはすごい。肉なのですが、食感や口当たりはレバーか白子のよう。
 印象に残る美味しさ。毎回は食べられない希少部位です。
 

 黄金シャモ一黒しゃものもも肉の食べ比べ的な一串。
 この焼きも完璧ですね。もちろんどちらも美味しいのですが、個人的な味は黄金シャモの方が好みかな。一刻しゃもの方が歯応えが強く食感が良い。

 山形地鶏と比内地鶏の胸肉のたたき。皮の方はしっかり焼かれ、身の方は程よい感じ。味付けも含めてこれも素晴らしい。
 上に香り良いディルとちょっとの梅肉と柑橘のタレ。削りかけているのは何か分からなかったけど柚子かな?
 下にサラダ玉ねぎとスライスした食用鬼灯が隠れています。
 

 比内地鶏のレバー。タレです。
 レアすぎず硬すぎずな感じの絶妙な火入れ。
 

 しずくというブランド鴨の鴨ロースを塊で焼いて切って提供。上には粒マスタード。
 サイドに2年熟成させたジャガイモとスライスしたブラウンマッシュルーム。シャクシャクとしていて甘みのあるジャガイモに驚愕しました。
 

 銀杏。皮がついたまま焼き、皮を剥いてまた焼かれていました。極細の串をさす配慮も細部へのこだわりを感じます。これまた素晴らしい。
 

 ツクネ。普通の串の二本差しで。
 ネギが少し入っているのを確認。中はレアではないけど、ギリギリな火入れで、ジューシー。滴る肉汁がもったいないと思う。
 

 ウズラの玉子が3個。大きめのもので、白身がプルンプルン、黄身がトロリとしています。
 

 一黒しゃもの手羽中とチーズ。燻製だと言われていましたが、りんごのチップでしょうか。燻製の香りも味になってのっていて美味しい!! 横にはむっちりしたチーズ。大将一人で焼台に向かわれているのですが、本当に火の入れ方が素晴らしい。
 

 比内地鶏のハツ。かなり平たく開いて串に挿しています。程よい弾力でした。
 

 アイコのトマト。焼いて皮を剥いて、また焼いています。
 提供前に上からオリーブオイルを噴霧しているように見えました。
 果肉がしっかりしていて、トマトではないみたい。火を入れるとトマトって、崩れてしまうようなイメージだったのですが、そうならないような炭火の使い方なんでしょうね〜。中央にはトマトのトロリが潜んでいます。
 

 九十九里の小鳩。
 偶然にも大崎さんらと焼き鳥で鳩を出すところはないのかなと、言う話をしてないなぁと言っていたばかり。
 鶏とは違う肉質。鴨をさらに濃くしたような味わいは鉄分を多く含む鳩ならではでしょうか。いや本当に、肉の味が全然違う!
 その横には鳩の出汁とレバーのソースが添えられています。焼き鳥屋とは思えないw。
 添えられているのは春菊と柿。これも美味しい……。もうなんだかわかりません。
 

 鉄串にさして焼いている謎の鶏肉。

 半分に切って出されたのですが、手羽の骨を抜いて中に山椒ご飯を詰め込んだ手羽飯でした。
 しびれ辛く香り良い山椒ご飯に脂の乗った手羽の肉が美味しい。
 

 里芋。
 ホクホクしてなめらかな里芋。まるで素揚げしているかのような丁寧な火の入りです。
 

 ネギマというには肉がでかい!!
 先の方は比内地鶏で手元側が山形地鶏。パリッと焼かれた皮も美味しい。
 間の白いネギも程よい感じ。
 
下仁田葱

 追加の一串。上には薄く細く削りかけた鰹節。
 太い下仁田葱はとろりとしていてネギとは思えない美味しさ。
 緑の部位も中にペーストを詰め込んだのではないかと思うようなとろりと白いものが入っています。もちろん、ネギの成分なのでしょうね。
 ネギも凄いが大将の目利きと焼きも凄いな。
 
かわ

 追加の一串。塩でいただく。
 ぎっちり重ねられた皮。こ、こんなに。かわを追加している人が他にいなかったため?ではないようですが。
 肉厚な皮で表面はパリッとしていて皮の弾力も心地よい。
 
鶏そぼろごはん(スープ付)

 締めはまずハーフでこれ。
 ごはんに鶏そぼろがたっぷり。上にはぷっくり美しい卵黄。
 鶏スープ付き。上には三つ葉。ふつうに美味しいが塩の好きなぼくにはこれだけ薄く感じた。
 
鶏そば(鶏出汁としじみ)

 最後の締めはハーフでこちら。ラーメンです。
 スープは透き通ったベージュ色で鶏としじみの濃厚な味わい。上に浮くキラキラは鶏油でしょうか。麺は細いストレート麺で、喉越しがよく美味しい。大崎さんから横浜の製麺所のものだと事前に伺っていたのですが、なんと「1000」@関内と同じく「麺屋 棣鄂(ていがく)」の麺に代わったそうです。上には白髪ねぎと刻んだ赤皮玉ねぎ、そして海苔。

 

有機柑橘ソーダ 550円〜

 最初にお願いしたのは酢みかんですおう。調べても出てこないから聞き間違いのようです。酢みかんは柚子のことらしいですね。

 2杯目は酢橘のソーダ。上に半分に切った酢橘。

 3杯目は蜜柑のソーダ。これは上に蜜柑は乗っておらず、果肉が浮いていました。

 

 これで会計は17200円。

 まさに焼き鳥の新次元を開拓したお店。
 文句なしに三ツ星決定です。
 フレンチや鮨と比べると価格帯も安めなので、予約さえ取れれば毎月でも車を飛ばして通いたい!!!
 

とり茶太郎焼き鳥 / 渋谷駅代官山駅神泉駅
夜総合点★★★★★ 5.0