この投稿の続きとなります






芸能界という場所で
それはそれはたくさんの経験を
させていただきました。





しかし、経験が増えるほど
できなくなってしまうことも
ありました。





それが「歌」のお仕事です。





私が芸能界を辞める際に
最後に所属していたのは
とても大きい芸能事務所です。





主にタレントさんや俳優さんが
大勢所属しており
お仕事の内容も様々で
バラエティに飛んでいました。





徐々に活動の場が
レコーディングスタジオから別の場所へと
移行していきました。
それらの中に私の大好きな
ラジオやミュージカルも含まれます。





私はひとつのことに集中すると
他のことが疎かになる
マルチタスクからは程遠いタイプです。





ですが、目の前に与えられたことは
卒なくこなす器用貧乏でもありました。
ある程度は出来ちゃうけれど
突きつめることが苦手‥。





本当に贅沢な話ではありますが
歌以外の経験が増えれば増えるほど
歌以外の仕事をいただき
迷走が始まりました。





「今は思うように歌えなくても
 一度火がついてしまえば
 いずれは歌えるようになる」






そう言われて、頭では納得するものの
歌いたいのに
歌えないジレンマとの戦い






思うように出ない結果に
悔しくて苦しくて申し訳なくて
罪悪感に苛まれるようになりました。






こんなモヤモヤを抱えたまま続けては
マネージャーさんも
どう動いて良いのか困ったでしょう






「どうしてあげたらいいかわからない」
そう言われて、お世話になった事務所を
辞めることになりました。





そのあと、また違う音楽事務所から
お声かけをいただいたりもしましたが
全てから逃げてしまいました。






私はもっと歌いたいんです







この一言が言えなかった私は
生まれた時からの夢であった歌手を
自分から投げ出しました。
芸能界に降参したんです。






それからしばらくの私は
‥正直あまり覚えていないのですが(笑)
生きてる感覚がなかったかも






毎日当たり前に聴いてたお気に入りの歌を
全く聴かなくなり
鼻歌を口ずさむこともなくなり
TVで音楽番組が始まると消していました。






大好きだったから
大嫌いになってしまいました






その後の私はフリーターに転身し
未知のお仕事に飛び込みました。






時間は人に優しくて
徐々に音楽を聴けるようになり
また歌えるようにもなりました。






そして28歳で結婚した時には
二次会でライブハウスを貸し切り
ウェディングライブの夢を叶えました。





音楽業界でお世話になった方々
フリーターに転身してからの仲間
多種多様な方々が入り混じり
ライブは大盛り上がりしました。

白いドレスで歌えるなんてシンディローパーみたいって
シンディローパーもカバーして歌いました(笑)





そして子供にも恵まれました。
私は歌を歌うためには
結婚も子供も必要ないと思っていたので
ママになるのは不思議な感じでした。






ママになる人生は想定外だったので
私は人の何倍も努力しないと
良いママにはなれないと思っていました。






そしてひとつのことしか出来ない私は
育児に没頭することになり
他を見る余裕もなくなり
歌うどころではなくなりました






二人目が生まれて3歳になる頃
一人目の時の様な神経質な感じはなくなり
そろそろ仕事をやらなくちゃと
アルバイトを始めました。






子供の成長に目を細めながらも
淡々と日々が過ぎていく中で
3.11の大震災が起こりました。





私の住んでいる街では
大きな被害はありませんでしたが
TVに映る数々のシーンは
胸が痛むものばかりでした。






一番の親友の実家が岩手県の釜石で
家族の安否を心配する親友と
毎日連絡を取り合いました。






毎日のニュースでは
「毛布と水が足りてません」
と報道されていたので
毛布と水を支援しようとお店に向かうも
どこも売り切れでした。





その足で市役所に向かい
一万円札を1枚だけ募金しました。
何かしたいのに
これくらいしか出来ませんでした。





しばらくすると
たくさんのミュージシャンが
次々と立ち上がり
各地でチャリティーライブが
行われるようになりました。






最初は
音楽の力ってすごい!
と思いながら傍観していたんです。





ですが徐々に、徐々に
それらを見ることが
苦痛になってきてしまいました。





そしてまた
じわじわと湧いてきたんです。





歌いたい‥








TVの中で歌っているこの方たちは
こうやって人を元気にして
なおかつ大きなお金も寄付できる。






一方、私はと言えば
一万円を寄付することで精一杯
金額なんて関係ないだろうし
誰にも責められることなんてないのに
勝手に絶望しました。






この差はなんなんだろう
どうして私は今、歌ってないんだろう
なんて無力なんだろう






今まであんなに泣いたことあったかなぁ
と思うくらい泣きました。






瞼はおろか、顔全体が腫れるほど
泣きました。
喉も腫れて声が出なくなるほどでした。






やっぱり私は今も
歌うことが好きなんだ






腹の底から実感させられました。







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