あなたの想いを
歌にのせてお届けします
Minkです
自己紹介はこちらです
先日、久々に母と電話で話をした
母は身体のあちこちが痛いという割に
口だけはピンピンしていて(笑)
同じ事を何回もよく喋る
そんな母が突然
お父さんもうすぐ引っ越しだね！
と、初耳なことを言い出した
この「お父さん」とは文字通り私のお父さん
私の両親はずいぶん前に離婚済み
だが、疎遠になっていた二人の関係も
(私が産んだ)孫の誕生と共に変化が起き
今はつかず離れずで仲良くしている
父は私が生まれ育った家に
今も一人で住んでいるので、
つまりは父の引っ越しは
私が慣れ親しんだ家がなくなるということ
どうやら築年数を重ねた家を取り壊し
マンションに移り住むらしい
しかもそれが数日後に迫ってるという
私は
(なんでお母さんはこんな大事な話をせずに
韓流ドラマのウンチクを語っていたんだろう)
と、かなりイラッとしながらも
この引っ越しに関して、きっと父より
現状に詳しいであろう母の話に耳を傾けた
そうすると、出るわ！出るわ！
何が出たかと申しますと・・・
●お母さんがみーんな書類書いてあげたの
●郵送などの手続きもぜーんぶ面倒みて
●保証人の手続きもぜーんぶやってあげた
●これを機に銀行の口座も整理して
●貯金もひとつの口座にまとめてあげたの
●取り壊す家の電気、ガス、水道も止めて
●引っ越し先の電気、ガス、水道を繋いで
●私たちはもう夫婦じゃないから
●本人じゃないとダメなところは進まずに
●ぜーんぶお父さんに指示してあげて
●毎日毎日お父さんに付き合わされて
●私はもう、腰が痛い
などなど...などなど...どなどな(笑）
しかもこれはほんの一部
そしてこれらの話を多分私は
大袈裟でなくそれぞれ７回ずつほど
聞かされた、しかも１回の通話で(笑)
いつもなら１から１００まで聞いてるフリで
淡々とリピートトークを凌ぐのだけれど
(たまにスピーカーにして放置とか)
それはそれは大変！
お疲れ様でした
と、労いの言葉をかけた上で
今回ばかりは母の会話を途中で断ち切った
まぁそれでも随分と聞いたあとだけど
そして私が一番知りたかったこと
私の実家にある荷物は
どうなりましたかね？
と、恐る恐る質問してみた
残念ながら、私は勘が鋭い...
そして父の性格も熟知しているので
勘の上に上乗せされる予測の裏付けもあった
そして母は私に放った...
あぁ、お父さんがね
全部捨てたってさ！
うん、わかっていたよ
きっとその返事が来ると...
でもね、身構えていたとしてもさ
ダメージ喰らうよね、やっぱり
むかーしむかし、私が幼い頃は
その家に家族６人で住んでいて
私が１６歳で上京し
そのあと母と弟が家を出て
数年後に祖父と祖母が亡くなって
父は一軒家に一人暮らしになった
今後、誰も住む予定のない家を
残しても仕方ないからと
いずれ取り壊すつもりとは聞いていた
だけど家の中には
私が残していった荷物
弟が残していった荷物
祖父母の遺品もそのままのはず
私や弟は盆や正月の帰省は
男やもめの実家には帰らず
母のマンションに行っていたので
実家の実態はわかっていなかったけど
置き去りの荷物が多いことから
私も弟も呑気に構えていた
相当な気力を振り絞らないと
引っ越しにはいたらないだろう
だからまだまだ先延ばしにするだろうと
タカをくくっていた...それなのに
父は私の知らない間に
勝手に気合を入れた！
普段、ガラケーから私にメールする時も
スナックのお姉ちゃんに頼んで
文字入力してもらう父
洗濯機の使い方を知らなくて
洗面所の水道からバケツに水を汲んで
何往復もしながら
洗濯機の水を溜めていた父
「これを塗るとツヤが出るから」と言い
風呂に入れたばかりのフワフワのネコに
自分のおでこのアブラをなすりつけ
毛がテカテカになるまで撫でていた父
街を歩いていて
ボクシングの山根会長に間違われ
なぜか気を良くして
わざとイカつい歩き方をしていた父
こんなチカラの抜けた
生き方をしてる父が
なぜここだけ気合を
入れたんだっっっ
母との電話を切り
そのまま父に電話してみた
案の定、祖父母の遺品もあったので
捨てるのは本当に大変だったという
「年寄りは本当に物を
ためこんで困る！」
と、亡くなった祖父母に対して
愚痴をこぼしていたけれど
私は同じく年老いた父の
いさぎよい断捨離ぶりに困っていた
よくよく聞いてみると
本当になに一つ残ってなかった
私の物も、弟の物も...
「これはお前や弟の
大事な物やって
わかったんやけど
あまりの物の多さに
面倒で全部捨てた」
と、父は言っていた
かろうじて大事かそうでないかの分別は
ついていたらしい
かと言って何か残した訳ではないけれど
うん、大事な物
たーくさんたーくさん
あったんだー
悲しみが伝わるように
わざとか細い声で父に伝えると
ぜーんぶぜーんぶ
捨てちゃったのよぉー
と、陽気な即興ソングで返された
私は歌手なので一度きりのこのメロディ
すぐさま覚えてしまった
今でも歌える...歌わないけど
同じ土俵での会話は無理だし
話しても荷物は戻らないので
早々に電話を切った
父の気合いの断捨離で失ったもの
●芸能界でデビューしてから辞めるまでの
私がリリースしたCD
●芸能界でデビューしてから辞めるまでの
私が出演したTV番組を録画したVHS
(書いてて悲しくなってきた)
●芸能界でデビューしてから辞めるまでの
私が掲載されている雑誌
●芸能界でデビューしてから辞めるまでの
テレホンカードやポスターなどの
ノベルティー
(もう少しだけ頑張ろう)
●芸能界でデビューしてから辞めるまでの
学園祭やイベントでのライブ映像
●芸能界でデビューしてから辞めるまでの
歴代のアーティスト写真
今をときめく(?)週刊文春に掲載された
若き日のグラビアも
毎月毎月書き綴って好評だった
月刊誌のエッセイも
みんなみんななくなってしまった
これらは全部、私を応援してくれた
祖父が残してくれていたもの
祖父は天国で今、何を思ふ
思い出以外だと、将来大きな本棚に
ずらーっと並べようと思って
とっておいたハードカバーの本が
ダンボール５箱くらいあったかな
それもなくなってしまった...
撃沈⤵️⤵️
せめて今のこの悲しみだけでも
捨てずに残しておこうと
こうして書いてみました
この他力の強制断捨離は
もしかしてこの子のしわざおかげ？
VENUS WEBSHOP (お写真お借りしました)
もう、しのごの言っても仕方ないので
〜過去にしがみつかず
今を生きなさい〜
と、言うメッセージを
もらったと思うことにします
お父さん、一応ありがとう(笑)
そんな父は、昨日
軽自動車
に家電以外の荷物を全て積み込んで
無事に引っ越しを済ませました
どんだけ身軽なんだよ！
ちょっとこの生き方、見習おう(笑)
過去を断捨離した私は
今はこれを頑張っています
